醜い天使【HP】 (ページ25)

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「あれ、言ってなかったっけ？」ジョージはとぼける様子もなくそう言ってきたので本当に忘れていたんだろう。そんなの聞いてないよ！と言おうとした時だった。

「Aお嬢様？」不意に誰かが僕の名前を呼んだ。

「…？」声のした方を向いてみると、……あぁ。

「…ローガン・エジャートン」親同士の付き合いで何度か会ったことがある。

「ああ、やはり！覚えてくださっていたのですね。光栄です。」作り物の微笑が向けられる。人のこと言えないけど。

「貴方、同学年だったのね。」すかさず無難な台詞を返す。少し嫌味っぽくもあるが気にしない。

「ええ、ところでそちらの2人はウィーズリーの者じゃありませんか？」
いやらしい窪んだ目がジロリと双子を見る。

「そうだとしたら、なんだと言うの？」キッと、鋭い視線を向ける。コイツも、2人を悪く言うんだろうか。

「いや、噂は本当のようですね。ラミレス家の大切な一人娘が、“血を裏切る者”に誑かされているというのは。そんなだからいつまで経っても過去を引きずって素顔が見せられないのですよ。」

「…た、誑かされてなんか！」

皮肉めいた彼の言葉は、僕に臓器を抉り取られる様な苦痛を与えた。自分の顔が歪むのがわかる。

「おっと、失礼。貴女がスリザリンに入ることを願っていますよ。そうすれば色々少しはマシになるでしょうし。では。」

そう言ってエジャートンは仲間たちの方へ戻っていった。

素顔が見せられないのは、関係ないじゃないか。
なんで、なんで…。
僕が、もっと強ければ。堂々としていられたら。

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泣き出してしまいそうなAを見て、双子がエジャートンを追いかけようとした時、再び大きな扉が開き、マクゴナガル教授が顔を覗かせた。

「皆さん、時間です。着いてきてください。」そう言われ、周りが動き出す。