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今世 ページ3







今の私は儀式によって全盛期の頃と同じ強さになってるから害意ある者が私の規定範囲に入れば自動で術式順転と術式反転が襲うようになってるの。


順転により動かなくなった身体と降り掛かるどこか底気味悪い波動やら斬撃やらに血まみれになっていく2人の少女。



『 ふふ、ほら、ほら、もっと頑張ってェ』



眼光鋭くわたしを睨みつけてくる姿は笑える程健気だわ。



「 もうそこら辺でやめてくれないか。その2人はわたしの大事な家族なんでね 」



そう言えばわたしの自動攻撃範囲にいるこの男はいけ好かない笑顔でケロってしていた。


『 私の李を返して欲しいの』


「 私の術式は呪霊操術と言って降伏した呪霊を自身に取り込んで自在に操ることが出来る。さてここで君の探し物の気配はどこからするかい?」


『 最近の子供は人の話しを聞かないのね……はぁ、全く困ったわ』



虫の息になってる少女2人を部屋の隅に吹っ飛ばしてニコニコと胡散臭い笑みを浮かべる男に斬撃を飛ばす。



『 ………お前もう一度名乗りなさい』


「 えぇ、勿論何度でも言ってあげるさ。私は夏油傑……私の(・・)猫又になんの御用かな?」



深く息を吸っても荒れ狂いそうになる感情を吐き出す様に息を吐いた。


『 久しぶりね李 』


目の前には私の斬撃を真面に受けた苦悶の顔の李と胡散臭い笑顔のゲトウが対照的だった。


_______




「 ── と、言う訳で私達は非呪術師()の時代に幕を下ろし呪術師の楽園を築くべく、高専を落とすつもりなんだ……って聞いてるかい天女様?」


『 はぁ……ああ、ゴメンなさいね話しが長くて眠くなってしまったの。もう一度話して貰えるかしら 』



まあ、ちゃんと聞いてるかは分からないけどなんて小声で言えばゲトウの片眉がピクリと動く。



『私からすれば貴方達も可愛い小猿みたいなものなのに可笑しいわ………ふふ、ほら威嚇しないで小猿ちゃん』



反転術式で治してあげた私にそんな態度取るなんて本当に小猿みたいで可愛いわね(お馬鹿なのね)と微笑む。



「 フシャーー!!!気に食わないこの女!!早く吊るしてよ美々子!!」


「 ………夏油様がダメって言ってたでしょ、菜々子」


「 まあ、とりあえず君に猫又を返す代わりに私達に協力して欲しいんだ」


『 分かったわ』

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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年11月24日 19時

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