『呪愛の王』〜元呪詛師、現特級呪物〜【呪術廻戦】

今世 ぎゃる？ぎゃっぷ？ ページ21

「ずっと思ってたんですけどA様が参考にしてるそれって、なんの雑誌なんですか？」

『李も見る？』


開けたばかりの耳朶と軟骨には鈍い銀色の光が陽光により煌めいていた。


「 これってギャル雑誌じゃないですか！？」


ぎゃる？
よく分かんないけど最近の若い女の子はみんなこれを読んでるって書いてあったから。


時は少し遡る。


社を降りて琴真似 美花が住んでいた家に到着した。


彼女の部屋の中には私宛ての手紙や私のものとなる身分証明書、現代に生きるための常識に法律の本など多様なジャンルの本が並べてあった。


『 ふむ最近の若い女子はみんなこの雑誌をよんでせいしゅんを謳歌しています、ね……なるほど』


ペラペラと捲って行く中ぶっとい付箋に真っ赤な線で丸く大きく強調するように囲まれているそれに目をつけた。


『 清楚ぎゃる？』


そして時は戻り。


「 あんの女！私は清楚ギャルよりお色気お姉様系がいいっておすすめしようと思ってたのに！きぃーー！！！」

『 随分仲が良かったんだ』


違いますと即答する李に琴真似 美花と良い関係を築いていたんだなと安心した。


「それにしてもなんで清楚ギャルなのになんで穴開けたんですか？」


『次のページ捲ってみて』


李の手によってくしゃくしゃになった雑誌を捲ると《今の時代ギャップが大切♡》とピンク色の大きな文字がバンッと目に入る。


『 清楚な子が見せるぎゃっぷは、ばちばちのピアスやタトゥーがおすすめって書いてあるでしょ？』

「 いやいや、この雑誌、ギャップがにも程があるでしょ？引いちゃったらそれはもうギャップと呼ばないのでは？」

『私はこれ結構気に入ってるけど』


舌ピを李に見せるように動かせば、真っ赤になった顔で壊れた人形のように顔を縦に振り出した。


「 こ、これはあの女に感謝しないといけないのか？…いやそれでもこのページを見つけたのはA様であって……」

『 まあ、ぎゃっぷ萌えができてるってわかったところでここに向かいましょうか』


ブツブツと呟いている李に甚爾から貰った布の端切れを見せる。


「 安全かどうかも分からないのに私は反対です 」

『大丈夫、私は強いし……何より李が私を命に替えても守ってくれるんでしょ？』

「 A様。もう場所は検索し終わってます。さあ、行きましょうか。この私が貴方様をお守り致しますゆえ！」


チョロ猫の李を撫でながら私は彼の愛の姿に思いを馳せた。

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