【H×H】目的は恋じゃない！ (ページ9)

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0-9 思い出さなくていいからページ9

4週間目のはじめ。念の修行中もトレーニングメニューは欠かさずあったが最近では筋肉痛もそこまで酷くはなくなった。

今日はいつもと違う部屋に呼ばれた。入ると師匠はまだ来ておらず机だけが用意されていた。机の上にグラスが乗っていた。よく見ると、

水が入ったグラスの上に葉が乗っている。

Aはそれを見たことがあった。ただどこで見たかは覚えていない。少年がグラスに手をかざして……水が……？覚えていない。

Aは曖昧な記憶の中の少年と同じことをしようとグラスに手をかざした。

『なにも……そうか念の何かを！』

直感的に〈練〉だろうなと思った。

Aは集中する。

＿＿＿＿練

自分の手に白くまとまっているものが見えた。良かった、使いこなせている。Aはほっとした。しかしこの後どうするか、このグラスがこの後どうなるか知らなかった。

「私は、水見式のことはまだ教えていない。なぜ知っていたの？」

そこでタイミング良くリンダが部屋に入ってきた。誰かがやっているのを見た気がしたと言うと、それだったら納得出来ると返してきた。

「じゃあAの両親どちらかが念を使えたのかも。そしてAは昔水見式を見たことがある、それは両親がやっていたのかもね」

『私のお父さんかお母さんが？』

でも私の記憶にあるのは少年で……あれもう一人いる！どちらの子も顔は分からないけど二人とも少年だ。私の両親じゃない。この記憶は、

「さてさて〜、このグラスはね水見式といって自分の属する系統を知ることができるのよ。系統別で生じる変化が違うからなの」

考えをさえぎろうとする様にリンダは声を出した。そしてグラスの中をじっと見た。

『どうやって判断するの？』

さっきのはたぶん前世の記憶だ。じゃあ思い出す必要は無い。今生きているのはこの世界だから、別にいい。

「ほらグラスの水の中に不純物があるでしょ。だからAは私と同じ具現化系ね」

『具現化系ってことは師匠みたいに物を創造できるんだよね』

＊+＊

師匠から色々教わった後、発の習得と能力を考えておくことをこれからの課題にされた。

そしていつの間にか1か月と少し経っていた。つまり外では約2日経っていると思う。基本だけとか言っていたが私は念能力の強化練習まで師匠に手伝ってもらっていた。