【H×H】目的は恋じゃない！ (ページ7)

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0-7 私の師匠ページ7

「ユウ、おはよう」

『おはよ……え？！』

寝ていたんだ。私はベットから上体を起こし、先程自分が苛ついていた張本人を見つめた。

聞きたいことが多すぎた。それ故、そのまま動きは止まった。

「全部説明するから聞いてほしいの」

長くなりそうだなと嫌な感じは出したつもりだったがリンダは話し始めてしまった。

・・♡＊♡＊♡・・

昔話を聞いた。自分のこと、リンダの師匠のこと、能力のことを。

こんな話をされたくらいでさっきの苛立ちを全て抑えろというなら効果は薄い。

だが家族が大好きなAにとって、家族の様な存在の師匠についての話は心に刺さった。

よって、こんな話ですらAの心を開くという点については充分だった。

「そして、この話をあなたにしているっていう事はどういう事かわかるわね」

リンダはAを黙って見つめた。Aもまた黙ってしまった。しばらく時が流れた後、先に口を開いたのはAだった。

『なんで弱い私に能力を与えようとしたのかはともかく、仇を打ってきてほしいだなんて考えなら私は絶対に受け取らないから』

そして今Aは気づいた。

『ハンター試験！！！！』

ばっとリンダを睨む。終わってたらどうするのという気持ちを込めた。それをさえぎって説明するから聞いてとリンダは言った。

「〈瞬間的な館(ｽﾄｯﾌﾟｵﾌﾞﾊﾟﾚｽ)〉は新しいものを建てず、同じ館に居続けると能力は成長する。そして今この成長している館の能力の効果で、館の外の時間は止まっている」

『なるほど』

「あー、ちょっと間違えた。館の中の時間が速く進んでいるだけで、外の時間が進まない訳じゃないの。ここでの時間一日が外だと一時間ってところかしら」

『じゃあ館で24日過ごしたら、外ではやっと1日になるってわけか』

Aはほっとした。まだ大丈夫。ハンター試験まであと何日かあるはず。

「ハンター試験まで時間はある。それまで、私はAの師匠としてあなたを鍛えましょう」

名前教えてないのにと思った。だが横に置いてある自分のリュックを見て分かることになる。両親手作り名前入りバッチだ。後で見えないところに付け直さなきゃ。

『はあ、鍛えてくれるっていうのは嬉しいけど。あなたみたいな上から目線の子どもに何が教えられるっていうんだろう』

「A、私をよく見ていてね」

そう言うとリンダの体は大きく成長していった。何がおきたのか分からずAはとりあえず見ていた。