【H×H】目的は恋じゃない！ (ページ5)

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0-5 とにかく悔しいページ5

287期ハンター試験。私は家を出てから色々調べてみた。調べたといっても試験会場の位置や他の有力情報はゼロだった。ただわかったことはある。

まず受験生の数をしぼるため、会場に向かうまでにもいくつかの関門が設けられているらしい。そして複数の関門を突破すると、試験官にナビゲーターがいる場所を教えてもらえる。

だから、じゃあまず試験官を探さなくては。そう思っていたその時。

＿＿＿＿来て

＿＿こっちに来て

声が頭に響いた。周りを見渡す。自分が考えていた思考の流れ的に試験官かしらとAは思った。みんなには聞こえてないの？私は自分が導かれる場所へ走っていた。

着いた場所は森の中。なぜここまで来てしまったのかA自身もわからなかった。その場所にある建物を見る。家。誰もいなさそうでボロボロの大きな家、というより館だった。

「いらっしゃい」

『え？』

声がしたと思ってそっちをみたら、もうここは館の中だった。驚き戸惑う時間もなくまた声がした。

「こんにちは、私はリンダ。ハンター試験のナビゲーターをしているの」

そこにいたのは少女だった。Aは考えていた。この子私より年下よね、何故ここに？そして一人なの？

そしてAは混乱していた。複数の関門を突破すると、試験官にナビゲーターがいる場所を教えてもらえると思っていたから。なぜナビゲーター直々に呼ばれたのか。そしてAは気がついた。

『君、本物のナビゲーターじゃないわね』

「ふふふ、まあそれよりあなたこそ、これからハンター試験を受ける人としては弱そうね」

『……は？』

図星だった。言い返せない。

『自分でもわかってる、でも君みたいな子どもに弱そうなんて言われる筋合いはない！』

「私がか弱い子どもに見えるなら、まだまだひよっこ……うーん。それ以下ね」

『何？！』

「私はハンター協会直々に指名されたナビゲーターではない。だけど試験会場へ案内してあげないでもない」

リンダはそう言うと本を投げてきた。分厚い本だった。私にぶつける為に投げてる！Aの苛立ちは募っていく。

『なんでそんなに上から目線なのっ？！』

Aは飛んでくる本を避けてリンダの方へ駆けた。一発殴ってやる！そういう気持ちだった。

だがその後すぐ意識を失った。

「私の念の本が見えていた。きっとこの子は強くなる。この私リンダ=ムーヴの名にかけて」

Aを抱えたリンダは一人嬉しそうに笑った。