【H×H】目的は恋じゃない！ (ページ29)

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2-2 試しの門ページ29

ゴン、クラピカ、レオリオそして私はハンター試験で失格になったキルアを連れ戻しにククルーマウンテンに来ていた。

「いいですかゴンくん。あの門はたとえ四人がかりでも開けばOKなんです。短期間でも訓練次第では不可能ではない。どうです？」

「試されるのは不本意だけど」

「他に方法がないのなら」

「やるしかねえなあ」

「うん！」

念のことは知らない人には他言無用とリンダに言われていた。だからみんなの前では念を使わないときめていた。

扉を開けたら怪しまれるだろうか。でも私はもう開けられると思うなんて言えなかった。

「では早速皆さんに着てもらうものがあります」

念の存在は一般人に教えてはならない。

ハンター試験に合格し、信頼しているみんなにですらまだ言えていない。(やむなく見せてしまった人はいたけど……)

みんなはオーラが見えないから、私のことただ強い女の子だと思ってるんだろう。仲間に大切な事もまだ伝えられていない。このままでいいの？

「A大丈夫か？」

「すっげえ」

「ねえ、重くないの？」

50キロの重り付きの服を着て顔一つ変えずに立っているAを見て、ゴン達は驚く。

みんなに話したら、なんて言われるかな。きっと笑顔で受け入れてくれる、そして私に教えてほしいと言ってくるだろう。でもだからこそ、今はまだ言えない。

20キロの湯のみを、片手で持ち上げお茶を飲み始めたAに再び驚くゴン達。

そしてAは口を開く。

『私、扉は開けられない』

「大丈夫だって。俺たちだってそうだけど、これから訓練するんだしな！」

『言い方が悪かった。私は試しの門を開けることには協力できない』

「はあ？！何言ってんだ？……俺はお前がどうしようが別に関係ないが、一言言わせてもらう。キルアは俺たちの仲間だろうが！ゴンが怪我をしてる中、三人で、みんなで頑張ろうって思ったんじゃなかったのか？！」

『……何と言われても私は協力できない』

「お前……！」

「レオリオ、もういい。A理由があるなら聞かせてもらえないか？」

『言わない』

「な、何〜〜！」

「そうか。なら私達は試しの門を開けるために訓練を進めるがAはやらなくていい」

クラピカは淡々とした口調でAに伝えた。大した怒りも冷たさも感じられなかった。クラピカは部屋に向かった。それを追うようにレオリオも大きな足音をたて歩いた。ゴンはまだAを見ていた。

「A、俺は」

『ごめんね』

Aはどこか影のある表現をつくった。