恋のハサミ

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「でも別に、阿部さんの従姉妹でも、そうじゃなくても、大事にしたいっていう気持ちは変わらへんのやろ？」



「そうっすね」

頷く


「ほんなら、別にそこは関係ないんちゃう？」



「僕もそう思いますけどね。
好きになった人がたまたま阿部さんの身内やった、ってだけやし。
じゃあ、阿部さんの身内じゃなかったら迷わずにがっついてたんですか？」



「そういう意味やないんや…「ならGOです」…へ？」



「だから、GOですね。
ゴー！！！」



「当たって砕けろやな、勇人」



砕けたらあかんて、亀さん



「時間かけて大事にしたい気持ちもわかりますけど、その間に誰かに取られたらどないします？
可能性、なくはないですよ勇人さん。

がっつくとかじゃなくて、大事に大事に毎日攻めるんですよ

毎日アタックはするけど、徐々に、大切に、割れ物扱うみたいに優しい気持ちで行くんです」



「たまにはええこと言うやん慎吾」



亀さんの言う通り

たまにはええこと言うわ


「いまめちゃくちゃ失礼なこと思ってますよね」


毎日、徐々に、大事に、か


「よく分からないけど、なんか伝わってきたわ。
ありがとう慎吾」



「よく分かっとらんのかいな」



「やっぱり失礼ですわホンマに」



「会える日は会おうって言ってみる。
大事に、徐々に攻めてみるわ」



「わかっとるじゃないですか」


脇腹をつんつんしてくる慎吾



「うっさいわ」



明日、会えるか連絡してみよ
会えなくても、時間が合えば俺が家まで送ったろ
そしたら、会える口実になるやん



「あと、まだ好きなのは俺だけって言っとりますけど、ほんまにそうですか？」



「多分…」



「でもガチで興味無い男やったら、応援LINEだって来んし、勇人さんのこと見てるなんて言わんと思いますけどね」



「ってことは〜？？」



ニヤニヤしとる亀さん



「脈アリ〜！！」


ほんまこのコンビなんなん


「やって！勇人！期待してええんちゃう？」


「僕もそう思いますけどね」



まあでも確かに慎吾の言うことも一理あるか
どうでもいい男にあんなこと言わんもんな
誰にでも言ってる雰囲気なんてAさんからは感じれんし



「頑張ってみるわ」




「てことで、勇人の奢りか？」




「勇人さんご馳走様っす！！」




「…」




「嘘や、

頑張れよ勇人」





「亀さん…頑張ります！

慎吾もありがとうな」



「ええっすよ、貸イチっす」



「やっぱお前どつくぞ」



「仲良くしいや！(笑)」

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