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4.鬼を連れた剣士 ページ7

「君、鬼を飼ってるの?」


ベンチに三つ人影が並んで座る。その隣のうどんの屋台の灯りが三人を暖かく照らした。

ズルズルと二杯目の山かけうどんを頬張っていた炭治郎は一度飲み込んでからよく通る声で言う。

「飼ってるんじゃない!妹だ俺の!!あと俺は竈門炭治郎だ!妹は竈門禰豆子!」


そうしてまたうどんを啜り出した炭治郎は、「君は、名前は何て言うんだ?」と口をモゴモゴさせながら言った。


「柑子木梢」

「そうか、梢。君はもう少し言葉使いに気を付けた方がいいと思うぞ!なんというか…その…冷たい!」

「…そう。ごめんね」


梢は表情を変えずにそう言うと、膝を抱え込んで下駄を履いた足をプラプラさせる。


炭治郎はうどんの残り汁を少し飲んで梢を斜め上から見つめた。

先程は遠くからしか見えなかった彼女の顔立ちは、近くで見るとより一層、その精巧さが際立った。
彼はそう言えば、と思い出す。


「(最終選別にえらく綺麗な子がいたなぁ…あれは梢だったのか…)
梢、前に最終選別で会ってるよな、俺たち」

「うん。同期だからね。」


彼女は存外冷たい人で、他人に興味があるようには見えなかったが、意外と覚えていてくれたらしい。

炭治郎はその嬉しさを全面に顔に出すと、梢は「何で笑っているの?」と怪訝そうな目で炭治郎を見た。





ダンッ

「ありがとうございましたぁ!美味しかったです!!」


炭治郎はうどんの椀を置いて店主に気持ちの良い挨拶をすると、禰豆子の手を引いて夜道を歩き出す。

彼は禰豆子に「置いていってごめんなぁ…」などと語りかけるように話した。




「(どうかしてる。人と鬼が共存だなんて。まるで……誰かにそっくりだ…)」


梢は炭治郎の後ろ姿が遠い誰かに見えて仕方が無かった。

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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時

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