検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:590 hit

15-1 ページ45

兄妹たちは涙を目に浮かべながら、しおしおと説明し出した。

ここは、"化け物"の家だと言う。
兄妹にはまた兄がおり、三人で夜道を歩いていた所を、"化け物"に兄だけを連れ去られたらしい。

兄は出血を伴う怪我をしていて、その血の跡を辿ってここまで追って来たのだと。


一通り話して思い出したのか、兄妹は兄の事を思い、表情を暗くした。
炭治郎は兄妹たちの零れた涙に、堪らず声を掛ける。


「大丈夫だ!俺たちが悪い奴を倒して、兄ちゃんを助ける…!」

「本当…?本当に…!」

一瞬にして晴れた二人の表情を見て、炭治郎の表情も和らぐ。
一方でその場面を見ていた梢は顔を曇らせていた。


きっと助ける、とそう言って炭治郎が立ち上がると、手を当てて何かに耳を澄ませていた善逸は、恐る恐る口を開いた。

「炭治郎、梢ちゃん…なぁ…この音、何なんだ?気持ち悪い音…鼓か?これ…」


眉を八の字にして善逸が尋ねると、炭治郎は不思議がって聞き返す。
その途端。



ポン


ピンと張った獣皮が、軽快な音を立てる。
それは段々大きく、速く、此方に迫るように近付いてくる。

舞台の幕開けのような心躍るようなものではない。
森の中で獣に追い詰められるような、肌が粟立つ不快な音だ。



何度も鳴った鼓の音は、最後に少し間を空けてポンと鳴って、屋敷の二階の襖から何かを投げ出した。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←15.鼓の屋敷



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。