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ちゅんちゅんと可愛らしく飛び跳ねる雀と、カァカァ鳴く烏の松衛門のやり取りは実に平和だ。
しかし此方は違う。
「いいか!俺はもうすぐ死ぬ!次の仕事でだ!俺はなぁ!!ものすごく弱いんだぜ!舐めるなよ!俺が結婚できるまで、お前は俺を守れよなぁ!!」
「俺の名は竈門炭治郎だ!!」
「そうかいごめんなさいねぇ!!!」
バシッと胸に手を当てて名乗る炭治郎に、君とかお前とか呼ばれるのが好きではないのだろうかと梢は彼と出会った時の事を思い出して既視感を覚えた。
少年はヤケクソに答える。
「俺は我妻善逸だよぉ…!助けてくれよ炭治郎ぉ…!!」
少年は我妻善逸、そう名乗った。
善逸は炭治郎に泣き付いて乞うと、炭治郎は困ったように眉を下げた。
「助けてくれって何だ?何で善逸は剣士になったんだ?何でそんなに恥を晒すんだ?」
「言い方酷いだろ!」
炭治郎は悪意の無い棘のある言葉を三回言い放つと、善逸は三回心に何かが刺さった。
それでも善逸は素直に炭治郎に聞かれた通り、鬼殺隊に入るまでの経緯を語り出した。
といっても殆ど愚痴のようなものだった。
女に騙されて抱えた借金を肩代わりしてくれた人が育手だったようで、それからというもの毎日が鍛錬…という日々を送って来たという。
本人は死んだ方がマシな鍛錬から逃れられるなら、最終選別で死んでも良かったと思っていたのだが、実力なのか運なのか。生き残ってしまったのだ。
善逸はおかしな格好で半狂乱に叫び出す。
「あぁぁぁ!!怖い怖い怖いぃぃぃ!!!きっともうすぐ鬼に食われて死ぬんだ!生きたまま耳から脳髄を吸われてえぇぇ…
ぃいやぁぁぁぁ!!いぃやぁっ!!!助けてえぇぇぇ!!!」
「どうしたんだ…?大丈夫か?」
奇妙な想像をする善逸の背中を宥めようと炭治郎が摩ってやった。
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時