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ドサッ
炭治郎は顔をムッとしながら少年を離すと、地面に落ちると共にうっと少年は呻いた。
炭治郎はそれを気にせずに、立ち竦む梢の肩に優しく手を置く。
「もう大丈夫だ。怖かっただろうに…」
「あ、ウン。ありがと…」
梢は炭治郎から寄せられた少々過剰な惻隠の情に、若干引き気味になったがそれをグッと抑えた。
「おいぃぃぃ!!!!お前邪魔すんじゃねぇよ!!!その子は俺と結婚するんだ!俺の事が好きなんだか…ぐはっ!」
叫ぶ少年の言葉を遮って拳骨を食らわせたのは炭治郎で、彼は腰に手を当てると目尻をカッと上げる。
「いつ!!彼女がお前を好いていると言った!!」
「ウン…言ってないね……」
梢は遠巻きにそれを見ながら、絶妙な表情をして言った。どうか巻き込まないでくれという意思表示だ。
少年はピシャリと雷が落ちたような衝撃を食らった。
「えっえぇぇぇぇ!!!?俺の事好きだから心配して声掛けてくれたんじゃないのぉぉ!!!?」
「ウン違う…」
「そんなぁ…ま、待ってよぉ……もう一度話を…」
グダグダと梢を引き留めようとする少年に、炭治郎は今度は眉を下げて辞めるように言う。
「な、何で邪魔するんだ!!お前には関係ないだろぉ!!?」
地面に座り込む少年は泣きべそをかきながら炭治郎を見上げる。
しかしその彼の表情は軽蔑と憐れみの入り交じったような複雑なものだった。
「なんだよその顔!!!止めろぉぉ!何でそんな別の生き物を見るような目で俺を見てんだぁぁ!!
お前ぇぇ!責任取れるのか!!?俺がお前のせいで結婚できなかった責任をぉ!!!」
「……………」
「なんか喋れよぉ!!!!」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時