【鬼滅の刃】ちゃんと聴かせて (ページ37)

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13. 黄色頭の少年ページ37

ヒョロロという鳶の鳴き声が響き渡り、蝶の羽音すら聴こえそうな沈黙が続いた。

炭治郎の頭の中は疑問符でいっぱいだった。
突然目の前にいる泣きじゃくっていた少年が、ピタリと動かなくなってしまったからだ。

暫く考えた後、彼と目が合わない事に気付いて、その視線の行き先を辿る。
するとどうやら、彼の目を釘付けにしていたのは梢のようだった。

だが炭治郎にとっては、それがどうしたのかと、尚更疑問が増えるばかりだった。

再び目を戻した炭治郎は顎が外れるくらい口を開けて、驚愕する。

少年がこの一瞬で、顔を熱した鉄板のように赤く染め上げ、言葉にならない呻き声を発していたからだ。

炭治郎はあたふたしながら、具合でも悪いのかと少年を心配するが、それなどお構い無く、少年は立ち上がる。

「あ、あのっ！！！！！」

驚く炭治郎の横を、少年は固い大股で通り過ぎて止まる。
向かった先は梢だった。

梢はすっぽり少年の影に覆われて、思わず後退る。
少年は何やらモゴモゴと口篭っているようだ。

炭治郎が先行きを心配そうに見守る。

「えぇっと………その、…ぁの……ぅお、俺とぉ……け、

結婚してください！！！！！」

少年の声が晴天を突いた。