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2.少女 ページ4

「うわぁあ!」



ドサッと地面に落下した少年、竈門炭治郎は悲鳴を上げた。

受身を取ったので大した事は無かったが、一体誰がこんな事をしたのかと思って身体を起こす。


辺りはどうやら人気の無い路地のようだった。電灯も無く、月明かりだけが道を照らしていた。

目線を上げた先で、炭治郎は目を見張った。


月明かりを反射する真白の髪に、そこから見え隠れする横顔が驚く程に整っている。


思わず目を奪われていたが、ハッと我に戻る。

炭治郎が浅草にやって来る前、鎹鴉に伝えられた合同任務という言葉を思い出したのだ。彼女の事だったらしい。


少女は何かを包んだ長細い袋で、先程の男性を取り押さえている様だった。
炭治郎は事情を話そうと、息を吸い込む。



「あ、あの!!」


夜空によく響いた自分の声に、困惑する。少女はピクリともせずに、その袋の結び目を解く。



「(あれ…?聞こえてなかったのか??)あの!!すみませんっ!!!!」

「…………」


遠くの木に停まっていた烏がその声で飛び立つ。
炭治郎はますます困った。何故こちらを向いてくれないのだろうか。


シュル…

布袋が落ちて薙刀の刀身が露になる。
彼女は男性を足で踏み付け、薙刀の柄を持ち替えると刃先を男性の首に向けた。



「ッ!!!!あのっっ!!!」


炭治郎は間一髪、彼女の手首を掴んだ。
炭治郎の赤い瞳とは対称的な、翡翠色の瞳が見開かれた。

2-2→←1.吹雪が来る



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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時

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