8.呪い ページ27
一方、朱紗丸と戦っていた珠世たち。
睨み合っていた両者だが、朱紗丸はまた攻撃を仕掛けようと振りかぶる。
しかし、朱紗丸に啀む禰豆子の前に珠世が立つ。
「ひとつだけ、お聞かせ下さい。貴女は鬼舞辻の正体をご存知なのですか?」
「なっ…!何を言う貴様!!」
今までの蟻の相手でもするかのの様なニタついた顔が一変し、分かりやすく青ざめる。
珠世は更に続ける。
「あの男は、ただの臆病者です。いつも何かに怯えている。」
「止めろ…貴様止めろ!!」
彼女は追い打ちをかけるように、鬼達が群れないのは自分をタバとなって襲わないようにするためだと、そう鬼舞辻に操作されているのだと、珠世は言った。
朱紗丸は血管を浮かせて、牙を剥く。
「黙れ黙れ黙れ!!あの御方はそんな小物ではない!!」
「!」
愈史郎は、珠世の腕から流れる血と共に揺蕩う靄を見る。
珠世が術を使っている証だ。
「あの御方の力は凄まじいのじゃ!!誰よりも強い!鬼舞辻様は…!!
ハッ…!」
チリンチリンと落ちた鞠を持っていた手が、口を塞ぐ。
珠世は自身の腕を上げる。
「その名を口にしましたね。呪いが発動する。」
白日の魔香。
脳の機能を低下させ、虚偽を述べたり秘密を守る事が不可能となる術。
「(凄い威力です、珠世様)」
「可哀想ですが…………さようなら。」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時