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数珠が弾け、斬り落とされた首が地面で硬い音を立てる。
首と腰から下の脚がない体が平衡を失って倒れた。
「(やった…!水中でなければ威力が落ちるねじれ渦、向こうの攻撃のおかげで力が増して、矢印を巻き取れた…!)」
炭治郎は力無く地面に伏せてそう考える。
梢は肩を元に均して、下ろした腕で薙刀をだらりと持った。
すると、土埃で頬が汚れ、目が方ほう飛び出た鬼の首の口が開き、大きな牙が見える。
「…のれ…おのれおのれ!!!お前の首さえ持ち帰れば、あの御方に認めて頂けたのに!!
許さぬ…許さぬ許さぬ許さぬ!!!汚い土に儂の顔を付けおって!!!!!!!」
矢琶羽の体の両手がゆっくり動く。
「お前らも道連れじゃぁぁ!!!!!!!!!!!」
断末魔にも似た叫びと共に両の目が閉じる。
「(しまった…相打ちだ…!)」
炭治郎と梢がそう気付いた時には遅く、体は意思もなく勝手に引っ張られた。
「(技だ…!次々に技を放って受身を取らないと…体がぐちゃぐちゃだ…!)
〈肆ノ型 打ち潮!〉」
畝る波が、壁を打って砂埃を立てる。
しかし休む間も無く次の方向へ飛ばされる。
「(まずいな、さっきより速い…!一度体勢を立て直さないと…)
〈壱ノ型 不香の花〉」
雪の結晶のようにひび割れた木の幹。
直ぐに刃を引き抜いて幹を蹴り、飛び上がる。
キンとした甲高い金属音が遅れて聞こえて来た。
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時