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地面に降り立っては、また飛び立って。止まったと思えば、身を翻して。
終わりがない。
炭治郎は、これでは梢の体力が尽きるまでの時間の問題だと、そう思っていた。
「(?…鬼との距離が縮まっている…!そうか…!)」
しかし次第に、単に鬼との探り合いをしている訳では無かったのだと、炭治郎は気づく。
梢は矢印の進行方向を上手く利用して、矢琶羽との距離を詰めていたのだ。
それを理解するのと同時に、炭治郎に鬼の首を斬る方法が自然と思い浮かぶ。
彼はもう迷う事無く走り出した。
「(矢印を逆に利用する……技の応用だ…!)」
炭治郎は参ノ型 流流舞いの足運びを使って、矢印を避けつつ距離をつめる。
そして陸ノ型 捻れ渦で矢印を巻きとる。
巻取られた矢印は渦の中で加速し、その圧力は重く彼にのしかかった。
それを横目で見た梢は、矢印に次々と飛び乗って一気に矢琶羽との距離を詰める。
宙に浮いた体を矢印で急降下させ、地をなぞるように足を運ぶ。
「〈雪の呼吸・弐ノ型 風花〉」
「う"ぅっ…!」
回転させた刃は血液すら付かず、月に似た光を放つ。
それと共に矢琶羽はガクリと丈を落とした。
「(間に合った、)」
矢琶羽の視界に、揺れる花札が映る。
「〈弐ノ型 改 横水車!〉」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時