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「気を付けろ!少しも油断するなよ!」
愈史郎が建物の方から叫ぶ。
もし本当に彼らが十二鬼月ならば、間違いなく炭治郎や梢が今まで倒した鬼より手強いだろう、と。
炭治郎は気を引き締めつつ、刀を握る。しかし、
「はい!わかりました!気をつけつつ、少しも油断せず、まず倒…………今まで………っはい!頑張ります!」
「(大丈夫かな…)」
何を思ったのか支離滅裂な事を言い出し、梢は心の中でそっと彼を案じた。
再び剣を構えた二人を前に、朱紗丸は腕を再生させる。
今まで戦った鬼より早い体の再生に、炭治郎は眉を寄せた。
バンッ
「ハッ…禰豆子!」
すると、木から禰豆子が突然木から落ちて来て、炭治郎が咄嗟に受け止める。
「(まずい…)」
「さぁ…死ね!!」
朱紗丸が案の定、鞠を炭治郎たちに向かって投げる。
梢が間一髪、彼らの元へ移動して鞠を突き、衝突を防ぐ。
「梢っ!」
「大丈夫。矢印の術はかかって無かった」
梢が鞠を刀身から振り外して、落ちる鞠を二つに割ると、鞠はそのまま消える。
炭治郎は彼女に感謝しつつ、禰豆子を支えて立たせる。
「おい!鬼狩り!!お前たちはまずあの矢印の男をやれ!鞠の女は俺たちと妹で引き受ける!!」
愈史郎がそう指示すると、炭治郎と梢は目を合わせて頷く。
「禰豆子、絶対に無茶はするなよ…!」
彼女はそれを聞いて立ち上がった。
炭治郎、梢と禰豆子は倒すべき敵へ体を向ける。
「頼むぞ…!行こう、梢」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時