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「耳に花札のような飾りをつけた鬼狩り……ふふ間違いない。
あのお方にその首を持って行こうぞ!」


身構えた炭治郎の耳飾りがカラリと揺れる。
梢もその隣で攻撃に備える。

朱紗丸が鞠を投げようと姿勢を取った瞬間、炭治郎が梢に耳打ちする。


「梢は鞠を頼む、矢印は禰豆子がどうにかしてくれる!俺は腕を斬る…!」

「…了解」

短いやり取りの後、糸巻きが転がるように、鞠は曲がりくねりながら二人を目掛けて跳ぶ。

鞠の矢印を避けながら、時機を待つ。
桜の木の枝と枝との間を、禰豆子が駆け抜ける。



「!(矢印が消えた…!)」

待っていたかのように、炭治郎と梢は目を合わせて同時に駆け出す。
梢は鞠の軌道を読み取ると、目一杯空気を取り込む。


「〈参ノ型 雲雀殺し〉」

目にも止まらぬ速さで宙を斬り、滑るように留まると、鞠の塵が大雪のように降り落ちる。

炭治郎がその後を着けるように、刀を構える。


「〈水の呼吸・参ノ型 流流舞い!〉」

炭治郎は水の流れに乗るようにして、朱紗丸の腕を全て斬り落とした。
二人は朱紗丸を囲うようにして立つ。


「珠世さん!この二人の鬼は、鬼舞辻に近いですか?」

珠世は血が流れた顔の片側を手で抑えながら、「恐らく…」と答える。

斬り落とされた朱紗丸の腕が消える。そして彼女は可笑しそうに笑った。


「アッハハハハ!わしらから血を取るじゃと……?何を企んでおるのか知らぬが…あのお方のご機嫌を損なうような真似はさせぬぞ?」

朱紗丸は血管を浮かばせて、炭治郎の方をゆっくり見る。



「十二鬼月であるわしらから、血が取れるなら…取ってみるがいい!!」

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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時

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