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炭治郎と梢は背中合わせになって次々と跳んでくる鞠を弾き、切る。
だが鞠は炭治郎たちに当たるまで不規則な軌道で動き回り、斬っても新しい鞠が増える。
鬼の数は二体。恐らくもう一体の鬼が関係している。
しかし、珠世たちを庇う余裕さえ与えてくれない。
「珠世さん!愈史郎さん!」
二人に跳んで行った鞠が、肉を抉る。
頭から血を流した愈史郎は、鞠と苦闘する炭治郎と梢に向かって叫ぶ。
「おい!間抜けな鬼狩り共!!矢印を見れば方向が分かるんだよ!矢印を避けろ!!」
彼の言葉に困惑して炭治郎と梢は、聞き返す。
「ったく!そんなのも見えんのか!俺の視覚を貸してやる!!そうしたら、鞠女の首くらい斬れるだろ!」
そう言った愈史郎は、懐から取り出した長方形の紙を二枚投げる。
紙は二人の額に付いて、愈史郎の青く光る目のように、目の紋様が浮かび上がった。
「「!」」
炭治郎と梢の視界を何かが横切る。
鞠と同じ方向に、数々の矢印が不規則な方向へ動き回っていた。
「愈史郎さんありがとう!俺にも矢印、見えました!!」
「ならさっさと倒せ!!!」
その時ちょうど戻って来た禰豆子に、木の上にいる矢印を操る鬼を任せ、炭治郎と梢は朱紗丸に向かい合う。
「お前の相手は、俺たちだ…!」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時