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6-3 ページ15
炭治郎は自分の手を握って眠る禰豆子の方を見る。
「…それ以外に道が無ければ俺はやります。珠世さんがたくさんの鬼の血を調べて薬を作ってくれるなら…」
彼は真剣な顔付きでそう言うと、顔を上げる。
「禰豆子だけじゃなく、もっとたくさんの人が助かりますよね？」
炭治郎のその表情は慈愛に満ちていた。
珠世は何かはっとしたように目を見開く。
「そうね。」
「あっ……」
珠世がそう言って目を細めると、炭治郎は頬を赤めた。
愈史郎は何か気に食わなかったのか、彼をギロッと目を尖らせて睨む。
そんな中、梢は彼がした人のいい笑顔を、誰かに重ねた。
「(…？)」
しかし、ふと感じた違和感。
「ハッ…伏せろ！！！」
そう感じた瞬間、愈史郎が叫んで珠世に覆い被さる。
炭治郎も禰豆子と梢を庇うように伏せた。
瞬きもしない内に、何か砲撃のような物が壁を突き破り部屋中を跳ね回る。
灯りは消え、外と部屋が繋がった。
「ｱｯﾊﾊﾊ！！」
外から子供の無邪気な笑い声の様な声が聞こえる。
月明かりが外を照らした。二つの影が現れる。
そのうちの一人が、両手で二つの球状の物を掴んでひらりと回る。どうやら、あの笑い声は彼女のものだったらしい。
チリンチリンと鳴るのは鞠。しかし建物を破壊する威力を持つものだ。
「ふふふ…殺し方は決まったか？」
そう言ったのは、首周りに数珠のような飾りをつけた、目を閉じた男の鬼。
女の鬼は如何にも愉快だと言いた気に口角を上げる。
「残酷に…だろう？」
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作者名：ほっぷすてっぷ | 作成日時：2024年1月5日 22時
