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「鬼を人に戻す方法は……」
静寂な部屋で、炭治郎はゴクリと唾を飲む。
「あります。」
「っ…教えてくださっ」
「寄ろうとするなっ珠世様にぃ!!!!」
思わず珠世に寄ろうとした炭治郎が、愈史郎の投げ技にかかった。
珠世は後ろ姿からでも分かるほどその影を濃くし、声を低くする。
「愈史郎……」
「はっ…投げたのです珠世様。殴ってません。」
「どちらも駄目です。」
「はいっ!」
何故か自慢気に答えた愈史郎に、はっきり駄目だと珠世が言うと勢いよく返事をした。
炭治郎は「いてて…」と立ち上がると、再び珠世に教えるように頼む。
「どんな傷にも病にも、必ず薬や治療法があるのです。今の時点で鬼を人に戻すことはできませんが。それもきっと……
ですが、私たちは必ずその治療法を確立させたいと思っています。」
それを聞いて少し残念そうな炭治郎に、珠世はお願いがあると言った。
一つ目は彼の妹、禰豆子の血を調べさせて欲しいというもの。
禰豆子は今極めて稀な状態だ。人や獣の血肉を口にしないと凶暴化する、という鬼の症状が見られない。
彼女は二年間眠り続けた事があり、恐らくその間に体が変化しているのだろうと。
二つ目はできる限り鬼舞辻の血が濃い鬼から、血液を採取してくること。
鬼舞辻の血が濃い鬼とは、それ程鬼舞辻により近い強さを持つ鬼を意味する。
これは容易な事ではない。
「それでも…貴方はこの願いを聞いて下さいますか?」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時