6.鬼を人に戻す方法 ページ13
「先程血を飲むと言いましたが、愈史郎はもっと少量の血で事足ります。この子は、私が鬼にしました。」
「えっ、貴女がですか?」
鬼舞辻以外は鬼を増やす事は出来ない。
炭治郎はその事実に驚く。
だが、それは概ね正しいだけ。
「二百年以上かかって鬼に出来たのは、愈史郎ただ一人ですから。」
炭治郎はわなわなと拳を震えさせる。
「にっ…二百年……」
「………」
「二百年以上かかって鬼に出来たのは、愈史郎ただ一人ですからぁ!?珠世さんは何歳何ですかっ!?!? ゥブっ!!!……」
「女性に歳を聞くな無礼者!!!!!」
炭治郎をすかさず殴る愈史郎と、唖然とする梢。
珠世は平然とした様子で、愈史郎の名を呼ぶ。
「次にその子を殴ったら許しませんよ?」
愈史郎は怒った顔も美しいと反省の色を見せずに心の内で思う。
珠世は、「ひとつ、誤解しないで欲しいのですが…」と続けた。
彼女に鬼を増やそうとする意思はないと言う。
鬼にするための処置を行うのは、病や怪我を負った余命幾許もない人だけ。
それも、本人に鬼となっても生きながらえたいか、尋ねてから。
炭治郎は空気を吸い込む。
珠世からするのは、嘘偽りのない清らかな匂い。
「(この人は信用できる…)珠世さん…
鬼になってしまった人を、人に戻す方法はありますか?」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時