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「辛くは無いですよ。」
炭治郎が愈史郎と心理的な攻防戦を繰り返している中、珠世はそう呟く。
「普通の鬼より、かなり楽かと思います。私は、私の体を随分弄っていますから…鬼舞辻の呪いも外しています。」
突然言い出した珠世の言葉に首を傾げる炭治郎と梢。
珠世は割烹着を脱ぐ。炭治郎たちを奥の別室へ案内すると言う。
何か複雑な話なのだろう。
畳貼りの一室に通され、珠世と愈史郎に向かい合うように、炭治郎と梢は座った。
すると禰豆子が達磨をたおしたようにゴロンと寝転がる。
「あっ!禰豆子、行儀悪いぞ…!」
構わないと微笑む珠世にホッとしながら、炭治郎は両手を拳にして膝に置く。
「あ、そうだ…俺は竈門炭治郎、妹は禰豆子で、こっちは同期の梢です。」
「えぇ、よろしくお願いしますね。では、先程の続きですが…」
珠世は話の続きを始める。
珠世と愈史郎は鬼だ。しかし、人を食らう普通の鬼とは違い、人の血を少量飲むだけで暮らせるようにしたと言う。
これが、体を弄ったという事の意味だろう。
勿論その血は、人から奪い取った訳ではなく、金銭に余裕の無い人々から、彼らの体に支障が出ない程度に、輸血と称して買った物だ。
「(そうか…この人達から鬼特有の異臭がしない理由はそれなんだ…でも、やっぱり人の血は必要……血だけなら、禰豆子にも__)」
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作者名:ほっぷすてっぷ | 作成日時:2024年1月5日 22時