兎の愛され天使 (ページ10)

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𝟏𝟎 ページ10

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秋広side

今日21歳を迎えた俺は少し気分がよかったのとはやくAに会いたくていつもよりはやく球場入りをした

中田「アキ、誕生日おめでとう」

「翔さん！ありがとうございます！」

ロッカーへ向かえば翔さんがプレゼントと共に出迎えてくれて、次々に勇人さんや尚輝さんとみんな祝ってくれた

「勇人さん、Aってもう来てますか？」

坂本「Aならさっきあっちに居ったで」

勇人さんに聞けばもう来ているという情報を貰い、はやく会いたい気持ちが抑えきれなくて急いでAを探した

『優人おはよ！』

「え、おはよだけ？」

『ん？なんか今日あったっけ？』

今日も相変わらず可愛いなー、なんて思ってれば俺がいちばん求めていた言葉を言ってくれないし挙げ句の果てには何かあったっけと言われる始末で少し落ち込んでいればすぐ増田さんの元へ走っていってしまった。

それからというものさっきの出来事がいまだに忘れられず試合前の練習も全然打てないしミスをしてばっかだ

『優人調子悪いじゃん、どしたの』

「A…」

ぼーっとベンチに座っていれば俺の悩みの種であるAが横に座ってきたけど、お前のせいだよって言いたくなったけどかっこ悪いので我慢した。

「んー、なんか忘れてることないの」

俯きがちに最後の希望を持ってもう一回聞けば突然横から笑い声が聞こえた。こっちは真剣に悩んでんのに、と思いいまだに笑ってるAを睨んだ。

『ごめん笑そんなに落ち込むと思ってなかった笑』

「なんで笑ってんの…」

『よしよし、ごめんね笑優人の誕生日忘れてないよ』

は？忘れてなかった？まさか俺これやられた？

『普通に祝うのつまんないかなーって思ってドッキリした！』

「俺まじで忘れられてるのかと思ってほんとに何もできなかったんだけど」

いまだに笑いながら思いっきり手を伸ばして俺の頭を撫で続けるAを見ながら俺はまだ少しいじけていた。突然Aに『ねえ、あれ見て』と言われ、指差す方を見れば俺たちの姿がバッチリカメラに映し出されていた。

「待って、あれなんのカメラ」

『YouTube用に白井さんに撮ってもらってた笑』

なんてこっちを見上げて笑うAを不意にも可愛いと思ってしまいさっきまでの感情は既になくなっていたのと同時にやっぱりこいつが好きだという感情が強くなっていた。

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