兎の愛され天使 (ページ16)

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𝟏𝟔 ページ16

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『歩夢ー！あしゃのー！』

「《すいさん！！》」

『ふたりとも今日も可愛いねえ』

数少ない年下の後輩が出来てからというもの会うたびにこうやって頭を撫でてはにこにこする碓氷がよく発見される。

《いつまで俺苗字呼びなんですか》

『えーだって、あしゃのはあしゃのだもん』

「どんまい笑」

『そうだ！歩夢支配下おめでとう』

「ありがとうございます！これでやっとすいさんとプレーできる環境に一歩近付けました！」

『そんなこと言えるの可愛いね〜』

なんて言いながらまた中田の頭を撫でる碓氷だが、そんなふたりを見ていい気しない浅野は碓氷の好物のお菓子を差し出すことにした。

《すいさん、これあげます》

『！？いいの…？』

《はい、口開けてください》

『んふ、やった』

嬉しそうに小さい口を開けた碓氷を見て固まる中田と浅野。ふたりにはまだ刺激が強すぎたようで急いで持っていたお菓子を口の中に入れれば嬉しそうに目を細めて食べる碓氷の姿。

《どうしよう…結構やばい》

「一旦忘れよ…」

なんてふたりが小声で話していることも知らずに嬉しそうに浅野に貰ったお菓子を頬張っている碓氷。

「あ、すい！やっと見つけた」

『ん？聖弥さんどうしたんですか』

「尚輝がずっとすいが居らんってうるさいから探しにきた笑」

『尚輝さんが？わかりました！行ってきます！ふたりともまたね！』

そう言い残し風のような速さでその場を去ったかと思ったら再び姿を現し浅野の元へ走ってきた碓氷。

『翔吾！お菓子ありがとう！美味しかった！』

そう言い残し浅野の頭を撫でれば再び風のようにその場から姿を消した碓氷をぼーっと見つめることしかできない浅野。

「お前らもすいに振り回されて大変やなー」

松原がそう言えばさっきあった出来事を惚気るように相談しだす中田といまだに放心状態の浅野だがやっと正気を取り戻し頬を赤めらせていた。

《ほんとあの先輩ずるい…》

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