俺の知らない君 ページ26
ーJKー
Aのお祖母さんから届いたアルバムは、
Aの成長を一瞬一瞬を細かく切り取ったものだった。
JH「やっぱりAって昔からすっごく可愛いんだね」
JM「なんか、愛嬌の塊って感じ」
宿舎のリビングに広げられた数冊のアルバムに飾られている写真の中のAは笑顔だった。
そのどれもが輝いていて、さすがAだなって。
ヒョン達もそれぞれが興味のあるものを手に取って感嘆の声を上げている。
ジミニヒョンなんて「欲しい」って言ってるぐらいだ。
それほどまでにAは幼い頃からキム・Aだった。
JH「あれ、これはなんだ？」
段ボールの底にまだ何か本のようなものが残っていたらしい。
ホソギヒョンがパラパラと捲ったそれは日記のようだった。
JK「日記ですか？」
JH「みたい。Aのお母さんの日記かな？」
JK「ちょっと見せください」
ホソギヒョンから受け取った日記に目を走らせる。
ーAが笑わない。
ーどうしたらいいのか分からない。
ー先生は成長と共に治ると仰ったけど、私はそうは思わない。
ーどこに連れて行っても病名が付かない。
ー私の接し方が悪いのではないかと言われた。
ー私はこんなにも愛を注いでいるのに。
ーふざけるな、
生年月日を見ればAが三歳くらいだ。
パラパラとページを捲って、四年ほどの月日を巡らせる。
ーAが感情を演じられるようになった。
ーこれで普通の子と変わらない。
ー私が眉間に皺を寄せると、
ーAは怯えたような顔をする。
ー間違えたあなたが悪いのに。
演じる？感情を？どういう意味だろうか。
もう少しパラパラと捲ってみれば、Aが俳優になった頃に差し掛かった。
ーAは演技がとても上手い。
ー当たり前だわ。
ー昔からずっとさせてることだもの。
ーAは幸せ？
ーAが私たちの元に帰って来なくなった。
ー当たり前よね、毎日叱ってたもの。
ー帰って来たくないよね。
ーごめんね。
ー帰ってきて欲しい。Aに会いたい。
ーそんな資格はないよね。
ーAはAのままで良かったのに、
ー私は人目ばかり気にしてた。
ー本当にごめんなさい。
沢山の後悔に胸が締め付けられる。
お母さんはこの後悔を抱えたまま、Aに会えなくなってしまったんだ。
そんなのって、そんなのって悲しすぎるよ。
急に泣き出した俺をジミニヒョンは何も言わず抱きしめてくれた。
'
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
alice(プロフ) - ルイさん» わぁ！！！！コメントありがとうございます！！！ほんとに嬉しいです！ルイさんのコメントを励みに更新頑張ります！！本当にありがとうございます！ (2020年12月22日 20時) (
レス) id: 9dd487a618 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 面白いです！更新大変やと思いますけど頑張ってください！ (2020年12月22日 19時) (レス) id: f748b7cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琳那ｰRINNAｰ | 作成日時：2020年12月18日 1時
