X=?? ページ13
ーJHー
Aはダンスも歌も未経験のままうちの練習生になった。
Aの第一印象は笑顔が可愛い子、だった。
もちろん、その時から顔は綺麗に整っていたし、
きっとこの子はデビューするだろうなと自然と思わされるようなオーラを放っていた。
だけど、時間が経つにつれ、Aに違和感を抱くようになった。
Aのダンスはいつまでも先生そっくりなんだ。
少しの癖までそっくりそのままで、よく「Aらしく踊って」と注意を受けていたっけ。
その度、Aは首を傾げて困ったように笑った。
今、思い返せば、練習生時代のAはいつも眉を下げて困ったように笑っていた。
そんなAがある日突然、ダンスを変えた。
先生方は「すごく良くなったよ」なんて褒めたけど、あれは練習生の癖を寄せ集めたダンスだった。
先生の言う「Aらしさ」はどこにもなかったように思う。
それからしばらくしてAは練習室に来なくなった。
俳優になったと聞いて、驚いたし、怒りも少しはあった。だけど、それよりも、Aにピッタリだなと思ったんだ。
僕の思った通り、Aはすぐに世間から注目を浴びた。
あらゆる賞にノミネートされ、沢山の賞を受賞した。
Aは一躍トップ俳優の仲間入りを果たしたんだ。
Aの活躍を心から祝福していたのは、多分、ジミナだけだったんじゃないかな？
僕を含めた他のメンバーは、個人差はあれど、どこか納得のいかない感情を抱えていた。
その中でもジョングクは他と比べ物にならないくらい苛立っていた。
Aがデビューしてからしばらくの間、ジョングギはAをあからさまに避けていた。
練習生の時はずっと一緒にいたくせに、急に話さなくなるもんだから
周りの僕らの方が戸惑ったのを覚えている。
そしてある日、突然。
ジョングギはやつれたAの腕を引いて宿舎に帰ってきた。
「今日からAもここで住むので、よろしくお願いします」
と、ジョングギは深々と頭を下げた。
その日から2人はまるで、これまで離れていた時間を埋めるかのように一緒に過ごしていた。
そんな2人を見ていると練習生の頃の気持ちが胸を満たして、なんだか泣きそうになったのを覚えている。
2人の間でどんな話がされたのかなんて誰も知らない。
きっと聞いても教えてくれない。
だけど、2人が笑い合えているならそれでいいんじゃないかと今は思うんだ。
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alice(プロフ) - ルイさん» わぁ！！！！コメントありがとうございます！！！ほんとに嬉しいです！ルイさんのコメントを励みに更新頑張ります！！本当にありがとうございます！ (2020年12月22日 20時) (
レス) id: 9dd487a618 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 面白いです！更新大変やと思いますけど頑張ってください！ (2020年12月22日 19時) (レス) id: f748b7cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琳那ｰRINNAｰ | 作成日時：2020年12月18日 1時
