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『じゃあついてきてね。案内してあげるから。』
拒否する選択肢をなくしてくる言い方をするので無言で頷いて着いていくことにした。
ずっと歩いてるけど無言で何か気まずい。
無言で歩く空気間に耐えられなくて気になってることを聞いてみた。
「あの、何で私があそこにいるのがわかったんですか?」
私がそう聞くと、少し考える素振りをして
『ん〜、気配とか?だってね、美味しそうな匂いするし、』
と答えてきた。美味しそうな匂い?
私が不思議がって自分の服を匂いでいると『あははっ!』っと笑ってきたのでびっくりした。
『そういう意味じゃないよ、今は知らなくていいから。っていうか君の名前は?』
明らかに話題をそらした。まあいいや、
「天野Aです。あなたは?」
『んー僕はねぇ、叶だよ。』
叶ねえ....ってかめっちゃあるいてるし疲れてきた、
「叶さん、だいぶ歩いてるんですけど....どこなんですか?」
『もうすぐだよ、もう見えてくるから。』
さっきの会話したところから少し歩くと叶さんが
『ここらへんかな?』
と呟き、パチンと指を鳴らして前に歩いていった。
私もそれに続けて歩くと途中で急に視界が開けた。
「叶さん、ここなんです.....か.....?」
目の前を見ると心臓がドクリと跳ね、身体が少し恐怖で震える。
なぜなら、目の前にあるのはあの心霊スポットのあの館と全く一緒だからだ。
私は無意識に後ずさりしてしまう。それを見かけたのか叶さんは私の方に歩いてきて
『あれ、どうしたの?今更逃げるとかは無しだから。』
と言ってくる。その顔が余りにも恐ろしく見え、
「そんなことないよ、逃げようとしてないから、」
と答えた。するとにっこりと笑い私の手をとって館の方へ足を進めた。
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作者名:a | 作成日時:2024年2月4日 12時