来訪者 ページ6
そういえば、インナーカラーのひとは黛灰という名前らしい。
それはさておき、なんで皆にね手を揉まれたり抱きつかれたりされなきゃいけないんだよ。
普通にイヤすぎる。
「あのー、そろそろ離れてくれません?」
『何で?僕たちのこと嫌いだって言うの?僕たちはこんなに愛してるのに?』
叶がめんどくさーいいいいいモードになった、
『まあまあ、Aと一緒に住めるしええやん。』
こっちは何にも良くないけどね。
『A〜』
葛葉さんはさっきから何なんだ?!ずっと人の名前を呼んではギュッと抱きついてくる。
「あの、ホントに離れ、」
私が皆を引きはがそうとしたときピンポーンとインターホンが鳴った。
ナイスタイミング過ぎ!
「んじゃいってくるから。離れてね。離してね?」
『ちぇっ。分かった。』
皆不服そうだけど離れて.....葛葉さん?
「葛葉さん、ちょっと離れてって、あの、」
『無理。』
くそ〜
結局剥がれなくて葛葉さんごと出ることになりました。許せん。
「出るの遅れてすみません。って雪?!」
私が控えめにドアを開けると雪がいた。
「ヤッホー、無断欠席のAちゃん。って、ん?」
雪が私を馬鹿にしたあと目を見開いてこちらを凝視してくる。
「雪?どうしたの?」
「A、あんたの脇腹になんで白髪で赤目の人外抱きついてんの?!」
やべ、忘れてた!
『んあ?』
んあ?じゃねえよ。
「いや、その、これには深いわけが......」
『Aちゃ〜、お菓子って何処にあるん?』
いやあああああああ、今はこっちに来るなよぉぉぉ
「ちょっと、こいつも人外!?あんたの家どうなってんの?ちょっと家あがるわよ。」
そう言って雪は家に入っていった。
「うわああああああああちょっと、Aーーーー」
「....もうどうにでもなれ.....」
『.....遂に見つけたわ♡♡』
溜め息をつきながらドアを閉める私はこちらを見つめる緑色の目に気付かなかった。
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作者名:a | 作成日時:2023年12月25日 13時