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そうと決まると行動が早いAは、先ほどまで爆睡していたとも思えない行動力を発揮しHIROは苦笑いをさらに深めた。
HIRO「今から…？」
『はい、では 準備するので帰ります。』
そう言って、ベットから飛び降り部屋を後にした。そして彼女の気持ちを表したのかバタンッと勢い良くドアがしまり、場がシーンと静まり返った。
HIRO「変にスイッチ入れちゃったかなあ」
登坂「くくっ…」
今までに見せたことのないような張り切り具合に少し心配の心をみせるHIROと、何が可笑しかったのか肩を上下させ笑っている登坂。
今市「え、ヒロさんまじすか…？」
HIRO「ん、？」
そんな2人とは違った雰囲気を纏った今市。
Aがソロで作詞作曲をすることに納得していない様子だ。
今市「作詞が出来るようには思えないっす」
HIRO「まあ、普通に考えたら18歳で歌詞書くって無謀すぎるって誰でも言うだろう。人生まだまだこれからって時で色々な経験も浅いし」
今市「だったら…！」
HIRO「隆二の言いたい事はわかる。でも、それは 世間の18歳の子 の話であってAではない。彼女は他の18歳の子とまったく違うんだ。三代目にいるだけで既に事が違うだろ？
それに……、アイツは気持ちや想いの経験が誰よりも豊富なんだよ。」
ーそして、俺たち大人よりもね。
それは、大切なモノを無くし得られた。
どれほど立派な大人でも、大切なモノを手放す覚悟はできない。覚悟どころか手放すものか と、必死にしがみつき 無様な姿を晒すだろう。彼女も覚悟があったわけではないが、無様な姿ではないのは見て分かる。
HIRO「まあ、それでも アイツも子供だ。自分の考えや思いを言葉に現す事が苦手だし…明日には 頭を抱えて事務所にいると思うよ 笑」
今市「…」
HIRO「隆二。お前にはまだソロデビューができる力が無いとは思っていない。だが、お前は三代目で今よりももっと成長し力をつける事が出来る。逆に言えば、三代目にはまだ今の今市が必要なんだよ。」
今市「っ…、」
納得がいかなかったのは、まさにHIROが言った通りだった。自分よりも年下で18歳という若さのAが先にソロデビューをするかもしれない事に、自分の力の無さを感じた。
だが、HIROは今市が今欲しい言葉を直球でくれた。
HIRO「登坂、お前もだよ。お前達は何万人の中から選ばれたんだ、もっと自信を持ってもいいよ。」
「「はい…っ！」」
どの言葉よりも彼の言葉は力強く感じた。
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作者名：宇宙人Ｐ | 作成日時：2015年2月2日 22時
