―ＨＡＮＤ―１▼０２ (ページ17)

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ELLYは冗談だとわかっているのに、彼女は勘違いをしていて。あまりにもすごい血相で一生懸命説明しているので登坂とELLYは吹き出しそうになるのを堪えた。

登坂「おいおい、余計そっちに走ってんぞ」

『登坂ッ！！』

登坂「違うだろ、広臣くんだろ？」

『呼んだことない！』

登坂「あれ？臣くんだっけ？」

『広臣ッ！』

登坂「え…。」

『なに！』

勢いのまま出た言葉に気づいていないAは、普段感情を露にしないのだが今は怒りと焦りの感情になっていて、登坂が顔を真っ赤にした事なんて気にもとめない。

登坂「なんもねえよ…」

彼女の不意打ちに登坂は顔を背けた。さっきまでAをからかっていたのにいきなり不機嫌な小さな声で言われ、Aは何かしたのかと不安になる。

『…登坂さん？』

登坂「まじ無理だから、寄ってくんな。」

身を乗り出していた上半身を引っ込め、登坂に向き合う形で腰をおろしたがそんなことを言われ間に受けたのか肩をシュンと落としたA。

ELLY「照れてるだけだから気にしなくていいよ？」

自分達のやり取りをみてニコニコと微笑んでいるELLYにそう言われ、もう一度登坂をみるとAの背を向けながらブツブツと何かを言っている。

それなら気にしなくていいか、と放っておくことに。普段からあまり喉を使わないようにしているのだが、感情のまま声を張り上げてしまい喉がカラカラに。店員を呼んで、グレープジュースを注文した。

注文し、数分でやってきたグレープジュースを喉に流すと、程よい濃さが口の中へと広がった。

(お腹空いてきた…)

口に物を通したことにより、空腹感が増してきたのでメニューをみて食べ物を選ぶ。

ELLY「…ねえ、臣そろそろ話そうよ」

登坂「ん？ああそうだな」

二人がそう話していたのを知らず、Aはまた店員を呼んだ。

『あ、すいません。ご飯頼んでもいいですか？』

ELLY「うん、どうぞ」

店員「ご注文をお伺いします」

『おでんセット1つと、唐揚げ定食ください』

登坂「あ、あと生1つ」

店員「かしこまりました、少々お待ちください」

一礼し静かに麩を閉めて出ていった店員の動作をジッと見送ったELLYは、手元のおしぼりの位置を少し変えてから真っ直ぐと彼女をみた。

ELLY「今からいくつか質問するから絶対答えて」

『……はい』

ELLY「Aは…、鈴原Aは、

……何を思い俺たちといるんだ？」

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