―ＨＡＮＤ―１▼０２ (ページ16)

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登坂「ダメ？」

脳内でグルグルと感情が回っているAではなく、向かいに座っているELLYに視線を向けた登坂。

ELLY「いやいや、ダメでしょ。臣、わざとそうしたでしょ…」

登坂「ってさ、寂しいね。はい、」

開放された瞬間即座に膝からおり少し離れて座布団へと座り込んだ。

ELLY「ああ、もおめっちゃ警戒されてるじゃん！…ごめんねA」

『…(フリフリ)』

ELLY「あ、んとね、そっちじゃなくてさ…いやどっちもか。」

少し自分と食い違っているELLYに疑問符を浮かべたA。

登坂「今日は打ち上げなんかじゃねえよ。そう言わねえとお前絶対ぇ来ないだろ？」

『…どういうこと？』

カランとグラスに入っている氷を揺らしながら、横から話始めた。

(あ、この音いいなあ…)

登坂の話を聞いているのだが、カランカランと氷が動く度になる音にどうしても目や耳がいってしまう。

登坂「鼻から打ち上げなんてないよ。今日はお前から話を聞くために呼び出した。それの口実に打ち上げを使わせてもらっただけっていう話。」

ELLY「ざっくり言うとそんな感じ。色々と大変だったよ、メンバーにバレたらダメだったからね。」

『あ、だから場所変えて(この音は…)』

ELLY「ん？あ、そうそう聞かれたらまずいじゃん？」

『そうですよね…(もっと聞きたいな)』

ELLY「？」

話をしているというのに、違う何かに集中している彼女に違和感を感じたELLYは、Aの視線の先を辿った。

それに釣られ登坂も辿ってみると自分の持っているグラスを見つめている。

ELLY「…何か頼む？喉渇いてるよね」

登坂「俺の飲む？」

『いや、…お酒？』

登坂「そう。あ、子供にはまだだったか」

少し馬鹿にしたように言い、彼女の頭をヨシヨシと撫でる登坂。

『…やめてください』

登坂「照れんなよ」

『……』

登坂「え、まじで照れてるよこの子」

『(あんな姿見られた後だから余計だよ…)』

ELLY「臣とAって結構仲良かったんだ？」

登坂「まあ、一線越えた仲だしね」

『何それ？』

登坂「わかんない？耳貸して、」

言われた通りに、素直に耳を傾けるA。

そしてその彼女の耳に手を当て、意味を丁寧に説明する登坂。

説明の途中で彼女が顔を真っ赤にさせ、机に手をつき身を乗り出して、慌てた様子で説明しだした。

『…な、っ！ち、違います！

起きたらこの人が隣で裸のまま寝てたんです！』

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