―ＨＡＮＤ―１▼０２ (ページ2)

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スタッフ「もし、見つけたらミーティングルームに無理矢理でも連れてきてください！」

そう言って風のように去っていった。

今市「また、迷子か」

登坂「会場でとかありえねえよな、」

必死に彼女を探しているスタッフと会場で迷子疑惑になっているAに呆気にとられた２人。

そろそろ大人だろと２人心で声を揃えたのであった。

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スタッフからの足止めをくらい、誰かに取られる前にと急いでマッサージルームへと向かった。

今市「2人空いてますか？」

スタッフ「うん、ちょうど空いたよ！ここ座って」

「「お願いしまーす」」

マッサージ専用のスタッフに指示されその通りに行動する。

スタッフ「さっき終わったんだよね～。2人とも運良いよ！」

今市「そうなんすか？俺らの前に誰かいたんすか？」

スタッフ「え、うんそこにいるけど…？」

今市「は？」

今市の隣のベットであろう''そこ''をみると、何やら毛布に小さくくるまった丸い何かがベットの上にいた。どうやら登坂は最初から気づいていたらしく、「え？隆二知らなかったの？」と既に寝転がって腰のマッサージを受けながらそう言った。

サイズからして、誰だか予想ついたが念のため確認する。

今市「誰…？」

スタッフ登坂「A。」

綺麗にハモった2人はイエーイと言ってハイタッチを交わしている。

この毛布にくるまった丸いモノの正体は迷子疑惑が出ていたA。スタッフが必死になって探しまくっていたその相手が今ここにいる。

今市「何してんだよ……、」

スタッフ「HIROさんから逃げてきたらしいよ笑」

今市「スタッフさんが必死な顔して探してて、俺ら見つけたらミーティングルームに連れてこいって言われたんだけど…」

スタッフ「何回か前通ってたからね。爆睡してる子連れてく？これ明日の朝まで絶対起きないよ？笑」

もしかして分かってて匿ってたわけ？この人確信犯じゃん…。

自分の肩に肘をグリグリと押し付けてくるこのスタッフさんはきっとAが信頼しているスタッフなんだろう。

今市「臣どうする？」

登坂「自分よりも何歳も歳上のしかも野郎共の中で過ごしてんだ、コイツも疲れてんだろ。」

今市「…」

俯いていてどんな表情で言ったのかわからないが、最近登坂が少し変わったように思える今市。

今の発言も今までの登坂からは有り得ないだろう。前は当然のようにほっとけだの知らねえだの冷たい言葉を並べていたというのに
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