検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:36,921 hit

ページ10

ポートマフィア内の廊下を歩いていると目の前に帽子を被る中原幹部の後ろ姿が見え、声をかけた。

「あの、中原幹部。お渡ししたい書類が……」

「ん? おお、樋口か。なんだ?」

「これなんですが……あっ!」

中原幹部にお渡しするはずの書類は手から滑り落ちて、彼の足元へひらりと舞った。

「すみません!すぐ拾います……!」

「いいよ、俺に渡すやつなんだろ?」

そう言って足元の書類を腰を曲げて拾う。

その時、彼の首から下げられたネックレスのチェーンが服の中から飛び出し、首に垂れた。

あれ? 中原幹部って今までネックレスなんてつけていたっけ……。

中原幹部はまっすぐ体制を戻すと同時に服の中へとチェーンを戻す。

「あの、中原幹部。ネックレスなんて付けられてましたっけ?」

「あー……。チェーンに指輪を通してんだよ、仕事の時だけ」

「指輪、ですか?」

「結婚したんだよ。ついこないだ。まあ、姐さんと首領にしかまだ伝えてねえがな」

やけにあっさり言うものだから私の頭は結婚というワードに真っ白になる。

「え、え?……え!!」

結婚……!!?

「うおっ!」

背中を反らして遠ざかる幹部を気にすることなく、ずいっと顔を近づける。

「中原幹部結婚してたんですか?! え! お、奥さん!どんな方なんですか!」

「ちょ、落ち着け!」

「いいえ落ち着けるわけありません!お願いがあります中原幹部!」

「な、なんだ……?」

私の止まらぬ勢いに幹部はしどろもどろになっているが、そんなの知ったことない。

「私……私! 中原幹部の奥さんに会ってみたいです!」

私の顔はきっと、きらきらと目を輝かせ興奮した様子なのだろう。

「おっ、おう……そうか……」

その証拠に中原幹部が若干引いていた。

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (130 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
726人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

伍-フュンフ-(プロフ) - ねこみさん» こちらこそありがとうございます!番外編の方と一緒にお楽しみくださいませ^_^ (2019年8月12日 0時) (レス) id: 31ecc80710 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみ(プロフ) - 続編待ってましたありがとうございます!!! (2019年8月11日 23時) (レス) id: 29d0084305 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:伍-フュンフ- | 作成日時:2019年8月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。