1-5 ページ6
「中也がそれを使うほどの強敵なんです?」
「いいや、まったく。彼一人でも終わらせられる仕事だ。作戦の予定にも汚濁を使うなんて無かった」
ああでも、と言葉を続ける。
「その報告をしてくれた部下の言ってたのだが、女性が1人、彼の目の前で撃たれたそうだよ」
「女性?……まさか!」
「A君の事だろうねぇ。どうやら敵は人質をとっていたようだ」
ここまで来るとこの人が私に求める要件が分かる。
「悪いけど、中也くんを止めて来てくれないかね?」
「断ります。なんで私が……。そのまま野放しにすればいいじゃないですか。Aさんだけ助けて帰りますよ」
「彼がいなくなれば私が困るんだよ。エリスちゃんや尾崎君に怒られてしまう」
「そのまま殺されて死ねばいいですよ」
ぴしゃりと言い切る。
「とにかく場所は伝えるから、お願いだよ」
はあぁ、と重い溜息が漏れた。
先程から近くにいた敦くんが私のこの様子を見てオロオロしているのが横目で見える。
一部の他の人も相手がポートマフィアなせいか、こちらを気にする様子がわかる。
「いいですか、いつか絶対そっちにこの借りを返してもらいますよ」
「ありがとう太宰君」
森さんから目的の場所を聞き、電話をようやく切ることができた。
……なんで私がわざわざ中也を助けなければいけないんだ。
ふつふつと怒りがこみ上げる。
「だ、太宰さん? あの……大丈夫ですか?」
電話で私が怒っている口調で話していたせいか、恐る恐る話しかける敦くんの頭にポンと手を乗せる。
「悪いけど仕事だ。行ってくるよ」
そう言って、国木田くんの止める声を無視して探偵社を出た。
241人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニケ(プロフ) - 全部読ませて頂きました!本当にお話素敵素晴しすぎます!(文章がおかしい(^^;;)是非、私も続き読みたいです!公式化してほしいぐらいすごかったです!ありがとうございました! (2020年9月7日 16時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - サトっぷ KZ大好きさん» そんなに褒めていただくなんて……!ありがとうございます!また機会があれば書きたいと思います^_^ (2019年11月5日 18時) (レス) id: 31ecc80710 (このIDを非表示/違反報告)
サトっぷ KZ大好き(プロフ) - もう素晴らしすぎて!これをアニメ・マンガ化して欲しいです!永遠に続いて欲しいですうううううー。才能ありすぎですよ! (2019年11月4日 12時) (レス) id: 2338f002a6 (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - 菜々子さん» 子育ては分かりませんが、結婚のお話は考えてます!まだ終わらないです!更新をお待ちくださいませ(^^) (2019年7月15日 22時) (レス) id: 2de5964ba6 (このIDを非表示/違反報告)
菜々子 - うわぁーん・゜・(つД`)・゜・ ここで終わりませんよねぇ!!
二人が結婚して子育てする話はありますか!?ここで終わっちゃやだぁぁぁぁ(泣) (2019年7月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伍-フュンフ- | 作成日時:2019年6月27日 14時