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そこでふと、彼の手首につけてる青いリストバンドに目がついた。
「リストバンドつけてるんだね」
「ああ……。これは俺が今いる組織のメンバーである印みたいなもので、身寄りの無い俺を引き入れてくれた所なんだ」
「へぇ」
「手札を持ってるっていうのと組織への貢献の数でリーダーにはなってるけど、まあ俺を置いてくれてるのは感謝はしてるんだ」
それに、と彼は続ける。
「俺には知らないといけない事があるから、それを知るためにもポートマフィアはぶっ潰す」
「ポートマフィアって、あのマフィア?危険なんじゃない?」
ポートマフィアかぁ。
前ほど活発じゃなくなったけど、ニュースにもよく取り上げられていたし、悪いイメージしかない。
そんなマフィアを潰すだなんて、彼は凄いな。
横浜も物騒なところになったものだ。
「私マフィアに関わったら全員返り討ちにされて殺されるとしか思えないよ。ニュースとかを見てて勝手なイメージではあるけど」
「俺は簡単に殺されるような弱い奴じゃねえ。こっちから返り討ちにしてやるよ」
わあ怖い。
なんか私凄い子に会っちゃってたのね。
「どうせ手前はこの話そんなに信じてないんだろ」
「確かに私はマフィアというか存在にテレビでしか縁がないからあんまり信じにくいところではあるけど、中也くんの話なら信じようかな。昨日会ったばかりの子だけど、君は嘘とか付かなそうだし」
「なんだそれ」
彼はちょっと不満そうな顔を見せる。
そんな彼の明るい色をした髪の毛をなるべく優しく撫でてみた。
すると彼は驚き、そして頭を撫でていた私の手を払った。
「っな……!いきなりなんだよ!」
「あ、ごめんね。嫌だったよね」
そこまで嫌がると思わなくて、申し訳なく眉を下げると、彼は私の顔を見てぐっと言葉を詰まらす。
「い、嫌じゃねえけど……。びっくりしただけだよ」
「なら良かった。頭撫でてもいい?」
「勝手にしろよ」
今度は彼の了承を得てから、もう一度手を頭において優しく撫でた。
その間ずっと彼は恥ずかしそうにちょっとだけ顔を赤らめてて、彼の子供らしいところを見れた気がして嬉しくなった。
「中也くんは私以上に苦労してそうだよね。まだ子どもなんだから、もっと大人に甘えたらいいのに」
2人で食べてたおでんはもう空っぽだった。
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伍-フュンフ-(プロフ) - 楓さん» ほんとドンマイですね。ありがとうございます!そう言われると嬉しいです!頑張ります! (2019年5月26日 23時) (レス) id: edb6879135 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - …異能掛けた奴ドンマイ、(-∧-)南無三 お話が面白くて好きです、更新楽しみにしてます!頑張ってください。( 'д')b (2019年5月26日 23時) (レス) id: f67163c875 (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - さらさん» 格好良くなってたなら良かったです!もう少しで22歳の中也くんになりますので、楽しみにしててください! (2019年5月26日 22時) (レス) id: edb6879135 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!15歳の中也くん格好よすぎです!!更新いつも楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2019年5月26日 22時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきますね! (2019年5月23日 10時) (レス) id: edb6879135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伍-フュンフ- | 作成日時:2019年5月9日 10時