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そして、その日の夜。
俺はとある廃工場の前に立っていた。
情報によると奴はここを隠れ家としている。
ふと突撃する前に昼間の事を思い出す。
__どちら様ですか?
グッと拳を握り、朝には俺の名を呼んで微笑んでくれるだろうと願って目の前のドアを蹴破った。
歩くたびに道に亀裂が入る。
中に入ると奴はおらず、一度立ち止まって気配を探るために目を瞑ると奥の方でカランと何かが転がった音がした。
「__嗚呼、そこに居たのか。探したぜ?」
「ヒッ……!」
音がした瞬間にすぐに俺は異能を使って奴の目の前に立つ。
奴は俺を見るなり震え上がって酷く怯えていた。
「手前には感謝してるよ。惚れた女に忘れられてるっていうのはこんなにもショックなんだと知ることが出来た」
ガタガタと震え、奴は声を発する事すら出来ないそうだ。
「おいおい……。そんなビビんなよ。ポートマフィアから逃げ出したんだ。こうなる事なんて分かっていただろ?」
やれやれと肩をすくめる。
「ともかくさっきも言ったが手前には感謝してんだ」
奴と目線を合わせるために同じようにしゃがみこんで、ポンと奴の頭に手を置く。
「礼だ。受け取ってくれるよなぁ?」
ニタリと瞳に映った俺は笑っていた。
__やがて、ぐしゃりと手の中で崩れる音がした。
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伍-フュンフ-(プロフ) - 楓さん» ほんとドンマイですね。ありがとうございます!そう言われると嬉しいです!頑張ります! (2019年5月26日 23時) (レス) id: edb6879135 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - …異能掛けた奴ドンマイ、(-∧-)南無三 お話が面白くて好きです、更新楽しみにしてます!頑張ってください。( 'д')b (2019年5月26日 23時) (レス) id: f67163c875 (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - さらさん» 格好良くなってたなら良かったです!もう少しで22歳の中也くんになりますので、楽しみにしててください! (2019年5月26日 22時) (レス) id: edb6879135 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!15歳の中也くん格好よすぎです!!更新いつも楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2019年5月26日 22時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきますね! (2019年5月23日 10時) (レス) id: edb6879135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伍-フュンフ- | 作成日時:2019年5月9日 10時