用事、背中 ページ29
高「…こんな場所に用事かい?」
『まあ、はい』
霧矢に蹴られた足をずっと摩っていた高橋。痛かったんだろうな・・もっとも、彼は何も言わなかったけど(言えなかったの間違い)(それを世間では悶絶という)
武器庫のロックを開け、収納されている武器を吟味して言う霧矢の背中に足の痛みが治まってきた高橋は語りかけていた。
てか何でいるんだ。
『高橋さんこそ、なにかここにご用事でも』
高「あ〜、、まあ、そうだね。ちょっと」
『煮え切らない返事、辞めた方がいいですよ。僕嫌いなんで、それ』
高橋の顔を見ないまま、霧矢は会話を続行させていた。
そうした間に、ある武器を手にとっては『おっ』っと感嘆の声を上げる。
『…いい刀なんでこんな場所に』
日本刀。
波状に刃の紋が付けられていて、長くもないが、短くもない、いい刀。
柄を持つ手に不思議とフィット感がでる。
『…こいつにしよう』
ほくそ笑む彼を、武器庫の入り口からずっと身動きもせずにこちらを見る高橋がとても気持ち悪いと感じ始めた。穴開きそう。
『あとは適当でいいや』
そこらに置いてあった拳銃やら警棒やらを懐やズボンのポケット、ベルトにきっかけたりしてありとあらゆる場所に装備していく。
最後に選んだ刀を腰に差し、命のやり取りをする道具の重さをじっくりと味わってから霧矢はさっさと武器庫から身を出した。
『…高橋さん、明日、頑張りましょうね』
高「…そうだね」
『僕、頑張りますので』
高「うん」
顔を合わせて軽いテンポでなされる彼らの会話。
一区切りをつけた霧矢は高橋に近寄り、そしてそのまま彼の隣を抜けた。
『………首を洗ってまってろよ…』
背中越しの、言葉。
最後に、霧矢の低い声が、地下にある武器庫前の廊下に響いた。
高「…そうだな」
彼らはもう、目を合わせていない。
身体も、顔すらも、対面にしてあわせない。
彼らは背中で、語り合った。
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リートゥ(プロフ) - ありすさん» きっとそうでしょう…ありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: 67a61c7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - 『ぺらぺら、レーダー』の一行目の「まある」は「まわる」でしょうか?勘違いでしたらすみません!これからも頑張ってください!! (2022年10月1日 22時) (レス) @page46 id: f7c82f5c0a (このIDを非表示/違反報告)
リートゥ(プロフ) - 歌好きさん» あっ、ありがとう (2022年9月30日 18時) (レス) id: 67a61c7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
歌好き(プロフ) - お久し鰤大根♡←歌好きですぜ。レイジャントの親バカ()さ、天界長のレベチすぎるカッコ良さ、どうなるか分からない展開…尊い\(^o^)/←最近携帯没収されたりしてるので来れなかったりしますけど楽しみにしてます!リートゥ様のお誕生日は零時にコメントします。← (2022年9月29日 21時) (レス) @page45 id: 603363c10d (このIDを非表示/違反報告)
リートゥ(プロフ) - 夜弧さん» 修正しました!ありがとうございます (2022年9月29日 18時) (レス) id: 67a61c7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リートゥ | 作成日時:2022年8月14日 18時