天界からの救世主＿＿＿異色な孤独龍の追憶【あとがき】

賭け、努力勝ち ページ30

走り込み、筋トレ、手合わせ、零との一体多数模擬戦と普段のノルマを達成していった俺たちはいつも以上に疲労していた。…量増やされたからな。
訓練の間、天界長はずっといた。俺たちの動きをずっと注視しているようだった。

そして一通りの訓練が終わったら零はいつもは挟まない小休止を言い渡した。なんなんだ。
周りの奴らは泣いて喜んでいたけど。

零と天界長はこの場を離れてどこかに話しに行ってしまったようだった。











『…妥協点か…』

零「ほら、どうですか？かなり精錬された動きにはなってきたでしょう。勿論俺たちには遠く及びませんが、あの羅衣ならいい肩並べ位にはなるのではないかと？」

『お前のギリギリ訓練は名ばかりではないという事か…』

零「変な名前つけないでください」


今話しているのは前に言っていた賭けの話。
天界部下の戦力を零とAの妥協点まで上げられるなら命の尊さを大切にし、蘇生を希望制にするという、あの話。

彼らはAの予想をはるかに超えて大きく成長していた。
音を上げることはあるものの、最後まで付いてくるその体力は前まではなかったものだ。

手合わせも羅衣に当たった奴は泣きながらも彼の攻撃を読もうと目を光らせているその態度。


零「天界長」


そしてこの催促する零。
Aはため息を付いた。


『わかったわかった。前にお前が言っていた意見を通す。蘇生は希望制に。このことを天界本部内だけで公開して口外しないようにしておく』


今回の賭け、零の努力勝ちとなったようだ。

蘇生、立ち位置→←訓練場へ、靄

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