天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ10)

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経験の差、ぐるりとページ10

零「……。」

…経験の差。

今、口に出したその言葉が何か気になった。
…別に間違ったことは言っていないはずだ。経験の差は大きく実力を左右させる。

だけど、経験というのは生きていてこそ、取得するもので、それまでの領域へ足を踏み入れることが出来ない。

命が足らないから。それまでに踏み入れるまで、持たないから。

＿ならばその領域へ足を踏み入れるまで生きてもらえば良い。

零「……おいお前今回の戦争で死んだ奴らはどうなった」

「え、…どうなんでしょう…？俺らは全くその件に関しましては分からないので…。でも戦争中は死んだ同胞は端に集めて寄せておけ、とのお達しだったので、皆で流れ弾が当たらないように出来るだけセーフティゾーンに…。そういやあれからどうなったんだろう…」

零からの質問に答えていきながらも、彼自身の疑問に思ったのか辺りをきょろきょろしだした。
…この反応を見る限り、まあ独断なのだろうな、と確信できた。

零「、いやいいんだ。天界長に直接聞くよ」

「そうですか？すみません、お力になれず」

零「それより、此処の片付けは手伝いはいるか？」

「いえ！片付けと言っても地形と敵の死体を片付けるだけなので！手もありますし、すぐ終わりますよ」

話を逸らすために片付けのことを聞くと手は足りてるので大丈夫です、と返ってきた。それでも零は部下の顔ぶれを確認するために来たので、ぐるりと戦場の跡地を周ることにした。