天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ6)

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歩み、再びページ6

零はそれを聞いて歩みが止まる。Aは対照的に軽い足取りで彼の前から姿を消した。

……『不必要である』？？

どういう事だ。死者は出ているはずだ。出ないはずがないし、実際あの戦場にいた少ない時間内でも倒れていった同胞をこの目でしっかりと見ている。
また何か、あの人が手を付けたのだろうか。

だとしたら、調べないと。

零は戦争が始まる前、命の話をしていた。
その時のAに違和感を感じていたことは覚えている。

((『…人材が惜しいと思った。今の一般部下は特に能力に突出した人材は目立たない。だけど、今は、の話かもしれない。もしかしたらその1一般部下が今回の先陣者のようにいつかの未来に存在する天界本部の鍵になってくる人物が出てくるかもしてないし、亜央のように今はまだ能力が表に出ていないだけなのかもしれないし………、ははは。そんな「もしも、かも」で語りだしたらキリがないだろうが、そう考えると最近は特に…一般部下の命さえも、惜しく感じてしまうんだ』

零「…天界本部…いや天界はアンタの命があってこそ、成り立っている。逆に言えば、一般部下が全滅したって、アンタの命が存在していれば天界は消えない。
いつでも、再建できるし、いつでもまた世界に姿を現せる。

逆に一般部下が生き残っても、アンタが死んで、魂(空間)が消え去ったら、…。考えたくもないけど」

…『…だけど、手はあった方がいい』

零「……あんた、何考えているんですか」

『……俺は、彼らの命を大切にしようとしているだけだ』))

零はその時何か心の底で嫌な感覚がしたんだそうな。だが、それを決定づけるものはあの時は何もなく、ただただそれを感じる事だけしかできなかった。
それが今、ここで再び匂わせてきていた。