天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ48)

今日:23 hit、昨日:6 hit、合計:5,860 hit

ようこそ、いずれもページ48

『…わかった。お前の気持ちが固まったのはこちらとしても嬉しいが、何かしてほしいことは無いか？小さい願いなら如何にか出来るぞ』

零「俺は無視か！！！」

亜「…、名前」

零の講義をガン無視して、Aは亜央に何か望みを聞いた。こちらに入ってくれる以上、待遇も変えていかなければならない。
すると、小さな間が開いた後、亜央は声になるかならないかの声量で呟いた。それはAの耳には届いたようで。

『名前？』

亜「…新しい名前をくれ。厭界軍部に物心がついた頃からある名前だが、特に未練もないし、何より…。黒い自分から少しでもいいから早く離れたい……」

『成程、名前なぁ…』

亜央は厭界軍部との繋がりがあるものを斬りたいと言った。名前は体を表す一種の呪い。確かに早めに変えたいな。
Aは亜央の頭の先からつま先までなめるように見た後、う～んと唸ってから口角を上げた。

『よし、お前の名前は「羅衣」だ。「羅」「衣」な。

「罒(モウ)」は網、「維」は鳥をつなぐという意味がある。

ふたつを合わせて鳥をつなぎとめる網を表すように、今からお前は名付けた俺から、離れないように繋ぎとめる役割をしてくれるだろう。それできっと厭界軍部との繋がりも消えるさ。

「羅」は「上品でおしゃれ」な印象。それを「衣」で身に纏う…。名前に負けないくらい精進してくれ。頼むぞ』

羅「…"羅衣"……」

亜央…改め、羅衣はAから貰った名前に喜びを表す様に口元が緩んだ。
その様子に思わず緩む口元が移る。

『…あとは身だしなみだな。零、こいつの髪切ってやってくれ。後は正式に書類を作成したら終わりだ』

羅「…分かった」

零「正式に一員になったからには礼儀もしっかりとしてもらわなきゃだ…原則敬語！！」

羅「お前には要らないだろ」

零「んだとこの餓鬼！！！」

『はいはい。仲良くな。…羅衣は一応少ないながらも下積み期間はあるからすぐに零と組めないが、まあお前ならすぐだろ。がんばれ』

早くもとても仲良し(？)にじゃれ合っている(？)羅衣と零。
そんな様子を見ていたAだったが、

改めて。

『羅衣。ようこそ天界本部へ』

―――――『…零、尋問の結果は？』

零「捕らえた上層部のいずれも、「天下さま」の行方は分からないらしいです」

『…チッ』

――――――――――――――――――――――――
はあはあはあ終わりそう無事におわりｓ…。