未来、くしくも ページ47
『さて、今日ここで話する内容は他でもない、以前から言っていたうちの零とタッグを組んでほしいという話なのだが。
なにも俺はお前を逃がさないためにそんな役職に任命しようと思っているんじゃなくて、これからの天界本部の発展のためにはどうしても指揮をとることが出来る実力者が必要になってくるんだ。
これからもっと天界本部は大きく発展して、今いる天界部下の数の何倍という人材がそう遠くない未来に集まるだろう。
お前にはその指揮を零と共に、していって欲しい。拒否権はないと思ってもらうが、一応意見も聞かなきゃならねぇと思って。
以前から聞いてきてはいたが、気持ちに変化などは…』
亜「構わない」
『え?』
零「は?」
長々と話を続けて来たAに亜央は短い言葉で締めた。Aからの問に対して適切ではない返答に一瞬の戸惑いが生じる。
そんな様子の2人にコップから顔を上げると口角を上げ、不敵に笑ったのだ。
亜「そいつと相棒になってやるって言ってんだ。あんたに忠誠も誓う」
零「急に…?」
亜「…今まで拒否し続けてきたが、なんだか拒否している理由も分からないくなってきて…抵抗もなくなってきたんだ」
『…何?』
亜央のその証言に、Aは眉をひそめた。
改心というレベルの速さじゃない。昨日今日で解決されるような心境でもなかった、はず。
だが、Aはなんだか嫌な予感がしている。
それを確かめるべく、一つ彼の質問をした。
『、おい、お前バディを持ったことはあるか』
零「は?天界長なにをいって」
『いいから』
亜「は?あんた潜入先で散々俺について調べたんじゃなったのか?ずっとシングルで動いていた。だから力の合わせ方も、合間の取り方も良く分かってないから足手まといから始まるぞ」
くしくも、その嫌な予感が的中してしまったのだが。ここまでの御膳立てで流石に伝わると思うが、Aは亜央の記憶から先陣者との思い出を存在ごと消してしまった。
その原因はオラシオンに願った願い事の内容。きっと、世界の天秤はAから授かった願い事の中に、将来亜央が先陣者を覚えていることで生じる不利益を感じたのだろう。
零「…どういう事ですか、天界長」
『俺の見立てではこんな結果にはならないはずだったが…』
零「つまりなんかやったんだな?!」
亜「?」
Aのその態度で、彼が何かしたかは丸わかりであった。
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作者名:リートゥ | 作成日時:2023年12月15日 17時