天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ43)

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強化、よい例ページ43

零「…これからの訓練の教育を強化する。今までは部下同士で同レベルの訓練しかしていなかったが俺が相手をする。自分よりも格上の相手に慣れさせるために。訓練は参加している全員が俺の合格ラインを超えるまで毎日」

『…！』

零は俯き気味になりながらそう言った。
彼が言った内容は少し前から考えていたという。今回の戦争でもそうだったが、あまりにも戦力の低さが目に余るくらいだったと。

零「アンタは手を付けず見ててくれればいい。俺が必ず妥協点まで引き上げてやる」

『…もしできなかった場合は？』

零「…その時は来ないことを想定しているが、もし万が一できなかった場合…あんたの好きにしていい…。俺の教える力もそれ程度という事だろ」

『……もし、蘇生に賛成している部下がいたとすればどうするんだ。お前の言い分通りだと彼らの意思は尊重しなきゃならなんだろう？当然死を恐がるのは性だ。誰にでもある。経験が少ない奴らなら尚更だ』

Aの言い分も一理ある。もしかしたらまだまだ生きていたい奴は一定数いるだろう。だけど、そんな考えをいつまでも持たれては困るし、もし蘇生に賛同しても経験を積んで、長い時を生きたらどうでも良くなるラインはくる。それでもいつまでも生き返らされることになる…。本人にとっては地獄の苦痛でしかないかもしれない。

そこで考えたのは、「希望制」だ。

零「…戦争をするたび事前に希望届を出す。それでいいんじゃないか。もしかしたら今まで鍛えた実力を本当の意味での命を懸けて試すことをしたいときに本人の意思で有無を選択できる。

まだ力が無くて、経験が浅い奴には保険を掛ける。あんたはそれを承認するだけだ」

『……』

悔しいが、零の提案は良いものだった。希望制か…。案外悪くはないがそれをしないような状況にできるなら零の訓練も捨てがたい。

『…分かった。取り敢えず考え直してやるからそのお前の訓練云々で変われるようにしてくれ。…もし妥協点が出たとしても、蘇生も希望制を導入するなら根本的な問題はないよな？』

零「……ああ」

話し合って言い争っているうちに大きな問題がいつの間にかとっても小さくなって解決に導かれることもあるが、今回がそのよい例だった。