天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ42)

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思わなかった、片眉ページ42

零が相手だと知った途端に手にしていたオラシオンの花と、葉っぱを懐に戻して少し距離を取る。

零「アンタ…部下の命を何だと思ってるんだ…？！！戦争が始まる前に意味深なことを呟いていたから嫌な予感がしたとは思っていたがここまでとは思わなかった！！！」

大きな一歩を踏みだして零は向かってくる。Aは表情を変えない。
ずんずんと近づいて、ついには胸倉まで掴みだした。

引っ掴んだ襟を力いっぱい引っ張って花と鼻が突きそうな程による顔。眉間に皺を寄せてAの顔を見る零は本当に、心底怒っている様だった。

零「今回の戦争で死んでしまった部下の命の尊厳をぶっ壊していくつもりなのか！？これからも！！
ふざけるな！！第一俺にも何も相談や話のネタにも上がってきていなかったことを独断で進めるなんて！

いいか！？命の尊さに手を加えることは！天界本部をまとめる役である天界長(あんた)が！！一番やっちゃいけないことだ！！」

『……ここは平和じゃなんだ。命なんて持った力が弱ければ増えてもすぐに消える。前も言っただろう。力が付かないのは力が付くまでにその天界人としての生命活動が終えてしまうからだ。

なら、死んだ分経験を積んで次に生かせるようになる教訓を詰めるこのシステムは、理想だと思わないのか』

零「思わない」

零は即答した。
だが、正直、内心ではAが言っていることも分からなくはないのだ。
Aや零と違ってAによって作られ、増えていった人材はどうしても真の天界人よりも劣る。

力も、経験も。

だけど、

零「それが彼らの生の自由を奪っていいことにはならないだろ…ｯ！

力が付かないから、経験が浅いまま死んでしまうからまた彼らの意思を無視に強制に生き返らせるなんてことは、只の甘えだろうが！！」

『あ？甘えだと？』

責任は持っているAに甘えという言葉はあまり良くはない響きであった。一瞬にして彼の眉間に皺が寄る。
彼だって考えなしでそんなシステムを作ったわけではない。ただ、そうした方が最善且、簡単で、良い、というだけで。

『じゃあお前はどうするんだ？』

片眉を上げて挑発気味にAは零に答えを聞いた。