天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ41)

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葉っぱ、システムページ41

このオラシオンの花に願いを込めればきっと、伝説のように願いが叶うだろう。たった一つの願いが。

きっと今後は出会わないであろう、オラシオンを使って、願いを…。

『…出来ることはやっていくつもりだ。これからの天界本部の発展のためにも…』

Aは厭界軍部の裏世界に生えていた葉っぱを取り出した。
あの時は急いでいたり、それよりも重要視していたことがあったから注視していなかったのだが、きっとあそこに生えていたガクが付いていて花が無いあの植物は先陣者が栽培していたものだろう。

この持ってきたオラシオンの花についている葉と一致していた。
天界本部付近なら例外だが、厭界軍部はOHPの領域。草木は全く生えない。だから種類を特定するのはとても簡単なのだ。天界周辺から持ち込んだりしない限りは。

『…先陣者の手帳にもオラシオンの葉を採取する話は出ていたからな…。だが、どうやって葉だけであそこ迄栽培したのか、その記述はどこにもなかった。

…つまり、オラシオンをこれからすぐに栽培することは不可能…。

まずは情報を広めないようにする方が優先…か』

葉をとっても枯れないのは分かったが、花弁をとっても枯れないかはまた別の話だろう。きっと願いを叶えるには葉より茎よりも花弁が大切になっていくであろうから。

『…前途多難だな。天界部下の死亡もなくして生き反すようにシステムを組むことが出来た時にこれからいいことが波に乗ってくると思ったんだが…』

Aはそう小さく呟いた時、背中を向けていた資料室の扉が大きな音を立てて突如開いた。大きな音に思わず方が跳ねたAは背後を振り返る。

零「……それ、どういう事ですか」

きっと外から聞こえたAの言葉に扉を足で蹴り開いたのだろう。片足を上げて、怒りが沸騰している表情を現した零が立っていた。