天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ39)

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痛恨、今必要なページ39

『…俺らにとってこの状況が出来たのは痛恨でしかない。本来の作戦としては今回の戦争は失敗だな。厭界軍部を崩落させただけの結果になってしまった』

零「……」

亜「崩落…？」

『…本来俺たちは厭界軍部を壊滅させようとしていたんだ。崩落程度で終わらせてしまったという事は今回唯一取り逃がしたその「天下さま」がどこかしらでまた組織を作り上げる可能性が高い、という事だ。OHPを壊滅してまわる俺たちにとって根本的解決にはならない。戦利品はお前(亜央)を貰ったが、天界本部としては無駄足、ってところか…』

零「せめて【天界本部にとって不利益なるような情報が無くなるような手段】があれば良いのですが…」

『…消せる手段、ね』

情報というのは広がりやすく消えにくい。それを権限で消そうとしても反発が起きる可能性があるし、何よりも消す作業より広がる速さの方がダントツに早いため追いつかない。

いったいどうやって…。

『…あ』

無いことは無いんだ。

Aは懐にしまってあるソレを服の上からそっと撫でた。

…できなくはないだろう。だが、之の存在自体幻や伝説レベル。これだけ長い期間生き続けてきたAすらも存在を目にすることは初めてな代物。
あまり零にも知られたくはない。

『(亜央は知ってはいるが、使用したことなど気が付く訳がない。)』

実はもっと有効的に使いたいとは思っていたものの、情報というのは時に身を亡ぼすことは決して少なくない。

ずっと思い描いていた願いより、今必要な願いを。