天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ37)

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転移、隠蔽ページ37

目が痛いと感じたその後に追うように爆風がやってくる。思わず目を瞑った零は混乱した。
風に乗って石片がバチバチ飛んできて所々とても痛い。Aのいる方から小さく舌打ちと悪態が聞こえてくる。

『【転移】！！』

バシュッ！！

Aが唱えた後、掴まれていた腕を不意打ちで離されて地面、？に沈み込む零と亜央。
沈み込んで分かったが、これは地面じゃなくて、床だ。

未だチカチカする目を無理に開け、状況を確認すると真っ白な床、真っ白な壁。どうやら天界本部へ帰ってきたようだった。
横を見ると目を擦っている亜央がいる。そして前には仁王立ちしたAが。その表情はかなり険しい。

零「いてて…何が起きたんですか…」

『…情報を隠滅された』

零「え？」

Aはあの部屋で起こった爆発は誰かが起動した情報隠蔽のための爆発だという。いや、あそこは確かに気になる情報の宝庫だとは思うが、何かのトラップに引っ掛かったことで引き起ったものなんじゃないのか？

『クソ…全く調べらえていなかったってのに…』

零「…。」

Aは調査に邪魔が入ったとイライラとしているが、零はあの場所が爆破される直前にみたあるものがずっと頭に残っていた。
…そしてそれはきっとAが追っているであろう「天下さま」に関しての最大的重要な代物であることも、零が「天下さま」が誰なのか、それが嫌な予想を作り出してしまているということも。

だけど、これはだからこそAには伝えてはならないという事だという結論にも至ってしまった。

零「(これはかなりやばいことになっているんじゃないか？今の状況もそうだが本当に俺の考えが合っていたとしたら今後あちら側に相当な手練れが……。

そして一番まずいのは天界本部の情勢を良く知っている可能性が極めて高いという事…！)」

『零？』

零「いや、大丈夫です。亜央、怪我は」

亜「俺も大事じゃない…」

零はこのことをどうにかAに知られないようにしようと振舞った。Aは小首を傾げてはいたものの、追及はせず零への興味が薄れたことに彼はほっとしたのだった。