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ちょいちょ、ページ ページ32

Aはある立ち入り禁止エリアに足を運ぶと傍にある階段を登ってゆく。踊り場に出てまたもう1階登り、そして翻して登ってきた階段を降りようとした。


零「ちょいちょ、」

亜「上ったのに!?」

『ああ、登って降りることが大事なんだ』


くいっと親指を2階登って1階降りた時に先ほどはなかった扉を指した。
暗がりに佇む扉に驚き息を呑む亜央。零は此処で漸くAが報告したことの中に含まれていたものだと気が付く。


『手順を踏まないといけないんだ。そしてここにはお宝が眠っている』


Aが手にしたのは小洒落た装飾が施されている鍵。それを見た途端、亜央は顔を青くさせ、息を呑んだ。


『…お前はこれが何か分かったらしいな』

亜「なん、で。お前がそれを」


そろ、と手を伸ばしてきたが無視をして鍵穴に鍵を挿しこみ、回すとそれなりに大きな音が響き開錠した。
扉を開けるとぶわっと埃が舞った。


零「これ、は…かなり年季が…」

亜「……、」


亜央は一歩部屋に踏み入れたままぴたりと止まって動かない。
その間Aと零はずかずかと部屋の中に入っていった。


『そこの本棚、確認してくれ。ここは机と本棚しかまともに原型留めているものがないんだ。ここの部屋は、な』

零「はーい」

『亜央』

亜「…、」

『亜央』

亜「っ、!なん、」

『これ、俺と見ようぜ』


零が本棚に入っている書類や書籍を漁っている間、一緒に見ようと提案をした。そういう彼の手には一つの手帳が。


亜「…」

『俺も時間が無くて途中までしか読んでいなくてな。お前は見た方がいいんじゃないか?』


にしっと笑ったA。
Aは手招きをしてベッドであったであろう木片に座り、手帳を開いた。その様子に亜央は断れないことを察し、重い足取りでAの隣に間隔を開けて座った。


『……』

亜「、うわっ!?」

『近づかないと見えねぇぞ』


態とその間隔を詰めて無くすとAは亜央の読むスピードに合わせてページを捲り始めたのだ。

泣いてら、横に→←言わずもがな、ピンと



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作者名:リートゥ | 作成日時:2023年12月15日 17時

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